ニュートンは科学革命の申し子でありながら、錬金術研究をしていたことはよく知られる逸話である。しかし、その具体的な内容についてはあまり知られていないので年表形式でまとめた。
年表
1668:ニュートンが錬金術研究に着手した年
水銀この粉末をガラス容器に入れ、それに他のものを加え、密封し、20日間糞のなかに寝かせておくと、大部分が水銀になる
ニュートン、ケインズ手稿
1669: 水銀硫黄理論の研究
残りの液体が蒸発すれば、強烈な味のする赤みがかかった物質がのこる
ニュートンの手稿より
賢者の石の完成を目指していたことがわかる一文。赤みがかかった物質はおそらく硫化水銀であろう。
17世紀末:アンチモン、賢者の水銀について研究
アンチモン、酒石などから・・・アンチモンの星状レグルスができる
ニュートンの手稿より
アンチモンの星状レグルスとは、アンチモンに適切な処理を加えると完成する星のような模様の状態のこと。スターレグルスともいう。
通常の水銀に比べても、賢者の水銀とは程遠い
ニュートンの手稿より
17世紀末:エメラルド・タブレットの翻訳・・・錬金術の書物としてギリシアからイスラム圏に伝わっていたエメラルドタブレットを翻訳した。
1675:錬金術研究のとりあえずの終了。
1710年代:このころくらいまで、錬金術研究は散発的に続いたらしい。
豆知識
・同時期に錬金術研究に打ち込んだ研究者としてはボイルなどがいる。
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考察
・水銀の研究について
ケインズ手稿の「大部分が水銀になる」というのはどのように見ればよいだろうか?当然、金属の変成や質量の増加は起こりえないので、物質を混ぜて処理した結果出てきたものを水銀と間違えたと考えるのが妥当と思われる。ただしい物質の分析法はラヴォアジェなどの時代を待たなければならず、この時代のニュートンが間違えても仕方ない。
・アンチモンの星状レグルス
ときおり、化学的な発見が顔をのぞかせる。錬金術の研究から化学式であらわせる反応が起こることはよくあったので、アンチモンの星状レグルスについては正しい製法により本物が得られたものとみられる。
・彼は賢者の石をつくることに成功したのか?
赤い物質が残るという記述があることから、彼が賢者の石を作ることを目的としていたことはほぼ確定だと思われる。ただ、パラケルススやフラメルなどと違い、伝説的にでも賢者の石の完成をしたという言い伝えはニュートンに関しては存在しない。また、結局最後には研究をやめているので、作れなかったものと思われる。