石川啄木が自分の赤裸々な性生活をつづった「ローマ字日記」について、その内容の一部を解説していきます。また、ローマ字で書いた理由や、じつは嫁バレしていた疑惑など、作品をとりまく事情も解説していきます。
実はそこまでエロくない?ローマ字日記の内容はほぼ日記
内容は、9割はふつうの日記であり、性生活に関してわかる部分は1割くらいしか出てきません。
性的な部分
以下、中略を挟んでいますが引用部分は「石川啄木全集」より引いています。
予は女の股に手をいれて、手荒くその…をかきまわした。しまいには五本の指を…
この部分は日本語訳では…と伏せ字になっていますが、ローマ字版にて「Inbu」と書いてあり「陰部」であると推定できます。
男との絡みも描写されている
予は友によりかかりながら言いがたき悲しみの道を歩くような気持ち。
「家へ行ったら僕を抱いて寝てくれませんか?」
どうやら悲しみを紛らわせてくれるなら男でもよかったようです。
このあと、次の日の目を覚ますシーンに飛ぶので、なにがあったかはわかりません。
じつはあの人物も登場!
また、この日記には上に書いた友人の金田一京助のほか、与謝野晶子も登場します。
与謝野晶子のほうは、詩を読む会に参加したが適当な理由で帰ったとあります。
なにげに日記では「晶子」と下の名前で書いてあるところがあり面白いです。
ローマ字日記は嫁バレしていた?
この日記ですが、嫁バレしていた可能性が指摘されており、それも含めて面白いです。
嫁バレの根拠
啄木の妻である節子は、恋人だったころに英語を習っているという手紙を送っており、啄木も返答として英語の本を贈っています。

また、節子は小学校の教員という職についているので、ローマ字を読むことはできそうです。
しかも、当のローマ字日記のなかにローマ字の解説表がついていることから、読ませたかった気すらしてきます。
ローマ字で書いた理由
ローマ字で書いた理由については、啄木が自分で日記にしるしています。
余は妻を愛してる。愛してるからこそこの日記を読ませたくないのだ。
また、このほかの理由もあるとされており、ひとつはローマ字の普及について功績を残したかったというものです。
もう一つは、従来の形式にとらわれない実験的な試みがやりたかったというものです。
まとめ
- 石川啄木はローマ字日記で性生活を描写しているが、実際は内容の1割くらいである
- ローマ字で書いた理由はあらたな表現方法の模索
- 嫁バレしてたっぽい?
嫁の節子さんが本当に呼んだことがあるのかはよくわからなったのですが、節子さんの反応が気になるところではあります。