相対性理論のむずかしさを表すエピソードとしてもっとも有名なものとして有名なのがこの「相対性理論が発表された時、理解できたのは世界で3人しかいなかった」というものである。
この出典、あるいは元ネタはなんだったのか、そしてこれは真実だったのか、年表で振り返ってみる。
相対論を理解しているのは3人説の元ネタまとめ
1.チャップリンのジョーク 説
チャップリンの4人の子供の誕生に際して、アインシュタインとチャップリン間での手紙のやり取りが元ネタという説。
あなたの芸術はみんなに理解されていて素晴らしい。
いやいや、あなたは誰一人として理解していないのに人々を魅了している(笑)
2.ニューヨークタイムズの記事 説
1919年:アインシュタイン自身が記者のインタビューに答えて、ニューヨークタイムズの記事になった
私の相対性理論を理解しているのは世界に12人しかいない。
と答えた。という説。この例ではなぜか12人となっている。もっとも、この記事は記者が大げさに書いたということも考えられる。
3.アーサー・エディントンのコメント
新聞記者とのインタビューでの会話
アインシュタインの一般相対性理論を理解できるのは3人しかいないと聞いているが?
・・・(しばらく沈黙)
はて、3人目が思い当たらないが。
この場合、理解しているのはアインシュタインとエディントンの2人ということになる。
4.3人の人物がわかっている事例
相対性理論の発表度同時期に、これを理解し高く評価してくれたのは、
・フランスの数学者ポアンカレ
・ドイツの物理学者マックス・プランク
・ドイツの物理学者ヴィーン
の3人しかいなかった、という説。物理学者の大塚明郎が著書内で述べている。
また、後にボーアも理解を示し、ボーアとのソルベー会議での思考実験対決は有名。相対性理論をつかってアインシュタインに反論する場面もある。
豆知識
・アインシュタインはエディントンの実験の成功により、一躍有名人になったが、それによって記者に追い回されるようになってしまい、「自分はモデルだ」といったという。ベロを出した写真この時期の写真は有名である。
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考察
・ニュアンスの違い
どうやら、理解できたのは、というより、理解したうえで正しく評価したのは、というのが正しいニュアンスらしい。実際、とk種相対論が出た時の論文で使われている数学などは、そこまで複雑なことはしておらず、理解自体は研究者ならできたのではないだろうか。
・3人の名前はわかっていた
実際に3人の内訳が誰だったのかわかっている例があったので、もし真実だとすればその3人が有力と思われる。
実際、ポアンカレはあともう少しのところで特殊相対性理論に手が届くところに来ていたので、この名前が入っているのはかなり納得できる。