\閲覧ありがとうございます!当サイトではリンク広告を利用しています/
ヤン・ファン・ヘルモント(1577~1644)は、柳の実験などで前近代的な間違いを多く犯していることで有名だが、間違っているようでどこか憎めないヘルモントのしくじりを網羅的に紹介!彼の名誉のためにも、業績についても述べる。
柳の木を五年間、日の当たる場所であそだてる。初めに柳と土の重さを量っておく。重さのわかっている水を与えて、育った後に柳、土の重さをはかる。
すると、土の重さは変わっていないのに柳は重くなっていた。つまり、植物は水だけで育つ。というものであった。
しかし、対照実験の基本をふまえていないので、証明したことにはならない。
ヘルモントは、この実験をふまえ「万物の根元は水」と考えた。
自然発生説に対する実験をした。内容は以下の通り。
まず、小麦の粒と汗で汚れたシャツに油と牛乳を垂らす。次にそれを壺にいれ倉庫に放置する。
すると、ハツカネズミが自然発生する。というものであった。
しかし、当然このような雑な実験では自然発生説を証明したことにはならない。
なお、汚れたシャツがヘルモント自身のものかは不明。
当時まことしやかに言われていた「共感の粉」は、傷と刀についた血が共感している、と修正をした。
磁力と共感はエフルーヴィウム(発散物)の接触で起こる。と考えた。
しかし今日では、発散物の考えは否定されている。共感の粉も同様である。
ヘルモントは金属塩が医薬になると考えた。
しかしながら、自身はむしろ症状を悪化させてしまった。
また、パラケルススが提唱した人体にはアルケウスがいるという説を踏襲。
気体に関して研究中、木炭を屋内で燃やして危うく一酸化炭素中毒にあいかける。換気が必要ということが知られていなかったのが原因であろう。
ヘルモントの独自の考え赤田は、当時の常識とぶつかることも多かった。このことで晩年、裁判所に申し出をされ異端審問にかかり、20年間、軟禁生活を余儀なくされる。
「ガス」という言葉を作ったのはヘルモントであり、世界中で使われている。この言葉を彼は「カオス」から作った。
彼は火を燃やすのと反対に消す気体があることに気づいており、鉱山の有毒ガスについて研究している。この過程でCOが混じったCO2が火を消すことに気づいた。
・息子のメルクリウスは錬金術師となった。なんとなく先祖返りした感もあるが、彼は父ヤンの業績をまとめ、「医学の曙」として出版している。