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科学者による錬金術研究の例としてニュートンが錬金術研究をしていたことは有名であるが、ボイルの法則で有名なボイルも錬金術研究に取り組んでいる。その中でエリクサー(賢者の石)と反対の性質を持つ「反エリクサー」の存在を確認し、書物にあらわしている。なおボイルの方がニュートンより先輩である。
1661:ボイル、「懐疑的な化学者」刊行。アリストテレスの4元素説の否定。パラケルススの水銀硫黄塩理論も否定。これだけ見ると、錬金術には懐疑的で否定をしているようにも見える。
1662:ボイルの法則を発表
17世紀後半:ボイル、反エリクサーを観測・・・金が卑金属に変換される現象を1度だけ観測したと主張。「金が卑しい金属に代わるなら逆も起こるはず」と主張した。
1678:「反エリキサーが起こす金の劣化に関する歴史的説明」が刊行される。錬金術師としての著作とみてよい。
エリクサー(賢者の石)は卑しい金属を金にかえるものだが、その反対に金を卑しい金属にかえるというのが反エリクサーである。
ボイルこの現象を起こすために「ある個体をわずかに使った」、という。ある個体がなにかは明示しておらず謎である。
反エリクサーはこの事例のほかは特に言及されている例はなく、かなり例外的な現象である。もっとも、錬金術自体が金への変換を目的としているので、いらない物質といえばそうである。
・ボイルは物質の根源について「粒子」の存在を考えていたが、生前に実証することまではできなかった。原子論とは少し違うものだが、近いところまでは考え付いてたと言える。
・この現象の真相は?
この現象の真相は以下の説がある。
・実験をしていない、冗談か嘘。
・金から金属に戻ったと勘違いした。
・実験結果を助手が細工した。
ボイルの性格からして、また職業が科学者であるから嘘だったというのは可能性が低そうである。一度だけ観測されたということから勘違いという説が有力かもしれない。実際は実験を助手にやらせていたようなので、助手がボイルに業績を作ってほしいがゆえに細工をして結果が出たように見せたという説もあるようである。
・ニュートンはボイルの研究を知っていたか?
ニュートンがボイルの研究を知っていたかははっきりしない。錬金術の先輩として読んでいた可能性もあるが、ボイルの成果を引用したりの記録があるかどうか不明。なお、ニュートンを含めほかの錬金術師たちが反エリクサーを観測したという例はない。そもそも金をほしがっているのに錬金術として役に立つのか微妙である。