エフェクターはエレキ楽器と双子の兄弟といってもよい要素である。エフェクターの発明の年表をまとめた。ミュージシャンの試行錯誤や遊び心によってさまざまな音色が生み出された。例によって60年代に開花した技術である。エフェクターの使い手であるスターミュージシャンが生まれるのもこのころである。
エフェクターの歴史年表
当初はミュージシャンの試行錯誤の繰り返しによりさまざまな音が作り出された。のちに、電子機器の進歩シンセサイザーなどの楽器の登場により、複雑化していった。
アンプをつかった「歪み」エフェクター
1950年代から、アンプを使ったある種のエフェクトは知られていた。もともとは音量を大きくする目的の途中で見つかったと言われている。これはアンプの出力の上限いっぱいにまでの大音量を出そうとすると、頭打ちになり、よってゆがんだ音が出るというものだった。
1950年代末には、真空管アンプによる歪みが有名になっていった。この時代にはまだ真空管が主流であった。真空管は「ぬくもりのある音」という形容が有名であり、これへの憧憬はのちに、真空管の生産再開、真空管アンプの復活にもつながっていった。
トランジスタを使ったエフェクターの登場
トランジスタの登場は、真空管の難点を克服するとともに小型の素子であり、この後の時代はこれを使って意図的にエフェクトを得ることが図られることになる。
1962年には、エフェクターの記念碑的な製品であるエフェクター「Fuzz face」のペダルが登場する。これはジミヘンドリックスなどの著名なギタリストが愛用し、エフェクターの知名度向上につながった。
1967年にはワウペダルが登場している。つづいて1968年にはユニバイブペダルも登場した。この時期には今日にも影響を与えたギタリストが多数登場した時代でもある。
エフェクターの多様化
1970年代に入るとさらにエフェクターの多様化に拍車がかかった。1976年には、コーラスペダルが登場した。
この時代までには、エフェクターは単一の効果を得られるものを複数つないで操作することが主流であったが、近年では一つのエフェクターでいろいろな音響効果を得られるようになった。
豆知識
・ジミ・ヘンドリックスはエンジニアも思いつかないようなエフェクターの使用法を編み出すのが得意だったらしい。
・英語では、エフェクター(effector)という呼称ではなく、effect unit(s)という言い方が一般的なようである。あるいはeffect pedalという形で、踏むペダルであることを表現した呼び方もある。