イマジンが放送禁止になった事例は、この楽曲がリリースされてから数回ありました。ここでは、それらの出来事や理由をまとめました。
イマジンが放送禁止になった実際の事例と理由
イマジンが放送禁止になったものを時系列でみてみます。なお、放送自粛、という場合のほうが多いです。
イマジンがリリースされた直後、全米のシングルチャートでは3位を取るというヒットになりましたが、この歌詞に否定的な反応は当時からありました。
代表的なものでは、天国の存在の否定、宗教もない、というところがキリスト教に反するといわれたり、あるいは共有を強調する歌詞が共産主義的、というものなどです。
湾岸戦争時の放送禁止
1991年、湾岸戦争の時、イギリスのBBCでは放送自粛リストに入れ、この措置は戦争終結まで取り続けられました。結局、放送されることはなかったようです。
湾岸戦争ではイギリス軍も多国籍軍の一部として出兵しているので、これに関連する放送自粛措置とみることができます。
9.11同時多発テロの時の放送自粛
9.11同時多発テロ事件の時も放送自粛リストに名前を連ねました。これは洋楽が好きな人なら一度は聞いたことがある放送禁止措置ではないでしょうか。
また、この自粛リストは大規模なもので、レノン以外にもレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンは全曲放送自粛という措置が取られています。
この時の理由は必ずしも明らかになっていませんが、リストを見る限り、反戦的、反体制的なのが理由ということが推測されます。
また、この時あえてニールヤングがイマジンをライブで歌ったことも有名です。ニールヤングがうたった理由としては「こんな時だからこそ平和を」というものだったようですね。
その時の映像は残っているようです。
お葬式でかけてはだめ?
近年では、イギリスで葬式のBGMとしてイマジンを使うことが禁止されたということもニュースになりました。
天国の存在を否定する歌詞が不適切だから、という理由のようです。
死んだ時くらいその人の好きな曲をかけてあげれば、とも思うのですがどうでしょうか。
イマジン放送禁止の布石がいくつかあった?
イマジンが放送禁止になるような布石となるような出来事、類似する出来事はイマジン発表前にも起こっています。
レノンvsキリスト教
ジョンレノンはいわゆる「ビートルズはもはやキリストより有名」という発言で、キリスト教系団体から反発されたことがあります。
これはビートルズ時代の1966年の発言です。

イギリスでは特に何も起こらなかったのですが、アメリカでは問題視され、レコードの焼却処分など大規模な反対運動にまで発展しています。
この時、ビートルズの曲が全米のラジオ局で一斉に放送禁止にされました。
なお、ビートルズ解散後にはこの措置は外されますが、その後もジョンレノンの作詞、ボーカルの曲は一定期間ブラックリストのままだったようです。
レノンvsアメリカ政府
レノンは1971年にオノヨーコとともにアメリカへ移住しますが、この時にニクソン大統領の政敵リストに入れられています。
これはその時の政権がロックミュージックのもつ世論形成の潜在能力を敵視していたという理由です。
中でもそのカリスマ的人物だったレノンの影響力は恐れられていたということだったようです。
これらのことから、この時期FBIに監視されていたことが判明しており、このことはレノンの死後に公表されました。
まとめ
- ジョンレノンの「イマジン」は数回放送禁止、放送自粛の措置が取られたことがある。
- この理由としては、反戦的・反体制的なのがそぐわないから、などと推察されている。
- ビートルズ時代の放送禁止も影響を与えたとみることもできる。
最近でもオリンピックなどで演奏され続けているので、時代を超えて話題を振りまいていることがうかがえますね。それだけ影響力の大きい歌だということなのでしょう。