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もし宇宙に投げ出されたらどうなるのか?よく「すぐに爆発する」などといったうわさが語られることもあるが、動物ではその答えが知られている。
宇宙空間に投げ出されたという事故ではないが、真空室(なかに宇宙飛行士が入って減圧し、真空中の訓練をする部屋)で真空状態になってしまった例がある。
1966 :NASAで訓練中の宇宙飛行士が事故にあった。宇宙服テスト中に、ホースに不具合があり保護されないまま減圧されてしまう。じつに87秒間、真空にさらされる。
本人は、10秒を除いて意識はなかった。耳が痛くなったほか、「舌の表面から水が泡立つのを感じた」と証言しているが、無傷で生還!
したがって、すぐに体が爆発するというのは、現実にはおこらない。
大気が存在しないと、熱伝導はゆっくりと進むので、肌寒いくらいですむ。熱や低温で即死するわけではないという。
理屈の上では、宇宙線、紫外線などにさらされるが、じかに肌に当たっても15秒程度であれば日焼けするくらいですむという。実際、バイザーを完全に閉じずに上げている例は散見される。
幸い、ドッキングに失敗して宇宙に投げ出された例はないが、もしあっても、気合いでいそいで乗り移ればとくに問題はない、というのが生物学者および宇宙医学の専門家の意見である。
1960年代:犬を真空に投入する実験が実施される。これでは、2分たつと、死亡した犬もいた。
およそ90秒以内であれば犬は生還した。もっとも、かなり体に負荷がかかる。例えば、
・失神し体が麻痺する。
・体や顔が膨張する。
・腸からガスが抜けるので、それが原因で脱糞する。
・嘔吐や失禁もする。
・舌が氷でおおわれる。
ココから元通りになるには、きちんと圧力を与えなければならず、完全にぴんぴんするには数分の時間を必要とする。
なお、放置したとして、体が膨張しても、どこかから空気が漏れ始めると、そこから抜けていくだけで、サイズは元に戻っていく。そのあとは、皮膚が一度膨らんだ後しぼんだ関係から、しわしわの体となってしまう。
人体の事故や、犬を使った実験を見ればわかるように、真空と動物に関する俗説、すぐに爆発するとか、すぐ体が溶け始めるとか、などは、事実ではないことがわかる。おそらく、上の事実に尾ひれがついて伝わったか、フィクションの影響であるとも思われる。