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明治期の日本の万能学者として知られる南方熊楠は、粘菌(変形菌)の研究を長くしていたことで有名であり、昭和天皇に標本を献上したことも有名である。それ以外にも、ながく研究していただけあって、粘菌のエピソードにことかかない。それらを解説する。若干のシモネタあり(?)
南方熊楠は古代や駐英の記録を調べ、この記述は粘菌ではないかという推測をしている。
紀元前293にかかれた「呂氏春秋」にかかれる「碧血」はクダマキフクロホコリの変形体ではないかと推定できる、と南方熊楠は述べている。
860年ころに書かれた、「酉陽雑俎」のなかにある「鬼矢」は、クダマキフクロホコリと推測できる、と南方は述べている。この推測は1908年に論文誌に発表された。
他の研究者の言及ではあるが、1708に書かれた「大和本草」などにある「鬼屎」(「きし」と読むのか「おにくそ」と読むのかよくわからないが、「鬼矢」とおなじものである)や、「ヂバス、雨中湿地に黄色い泥のごときもの」は、こちらもクダマキフクロホコリと考えられている。
粘菌の研究をした南方熊楠のエピソードを個別の粘菌ごとにまとめる。
オニゲナ菌について調べているあいだに陰茎を蟻にかまれ、体に悪瘡ができてしまったらしい。この蟻にも興味がわいた南方は、これを調べるため砂糖水などを陰茎にぬって毎日うずくまっていたが、蟻は表れることなく、せっかく見つけた粘菌も日照りのせいできえてしまった。結局、陰茎のあたりがムシムシするだけで、場所が場所なだけに、妻にもそれ以上研究するのはやめてください、ととめられた。
途中から興味の対象が変わっているのが南方らしい。
ある地域で「山神の小便」といわれる粘菌を調査し、イボタ蝋虫であることを突き止めた。その地域ではさわったらよくないもの、と考えられていたが、研究の情報をえて別に怖くないものだと知ったそこの住人が採集した。そして、その人のうちの敷居に塗って、障子をスムーズに動かすことに使ったら快適だったらしい。
ある地域で「きつねのちんぼ」といわれる粘菌を調査し、チノファルスあることを突き止めた。その地域では蛇の卵からこの粘菌がでてくる、という言い伝えがあったが、変形する前の姿が蛇の卵に似ているというのが真相だったらしい。これを紙面上で「情事を好く植物」と紹介したら風俗に反するとして罰金100円をとられたらしい。