漫画の爆破オチや起爆シーンで爆破装置として、ハンドルを両手で下に押し込んで起爆をするものはよくある。このような装置で爆破を行うものは、実際に使われていた。ここでは、その仕組みと歴史を解説する。
爆破装置の仕組み
正式名は発電式点火器という。発破器ともいう。なお点火器、爆破用電気点火器ということもある。
古くから発電式点火器がつかわれていたことで、漫画などでの爆破シーンで使われるステレオタイプなイメージにひろく貢献した。
仕組みは、手動や足踏みによって、発電することで爆破用の回路や電気雷管に直接電流をながす、というものである。据え置き式で重いのはこのためである。
操作時以外は絶対に流れないので安全であるが、操作にうまい下手がでることもあったり、重いのが欠点だった。コンデンサ式点火器にとってかわられていった。
用途としては、坑道の爆破などに使われた。
爆破装置の歴史
火薬の発展とともに、爆破や起爆装置の進歩も同時に進行して言った。初期は、当然電気は使われず、火薬に火を近づけるのが主流の方法だった。
導火線
もともとは、導火線に火をつけることで爆破するのが一般的だったが、火をつける手間や、必ずしもすぐにつけられるわけではないこと、安全上の問題などから、上述の起爆装置にとってかわられた。
なお、塩化ビニールなどの被膜をつけることで水中でも導火線による爆破は可能であった。
コンデンサ式点火
コンデンサをつかうことで、発電機や乾電池による電気をいったん蓄え、スイッチで爆破用の回路におくるというもの。
軽量、安全なので発電式点火器にとってかわり、広く使われた。