光速を超える粒子として考案されたタキオンについて、その歴史を解説する。さらに、光速を超える粒子をどうすれば検出できるのか、その原理も説明する。
タキオンの歴史
1904:ゾンマーフェルト、メタ粒子という概念を考案する。ただしこのあと相対論が発表され、超光速は一時的に下火になった。
実は日本人が最初に論文にしていたらしい。
1960:田中正、素粒子のなかでの矛盾を解決するために超光速粒子を導入した。
1967:ファインバーグ、超光速粒子を論文で発表。相対論的な考察をはじめてした。
タキオン検出の試み
60年代には、アメリカ、ソ連などで実験室での検出の試みもあわせて続けられたが、検出には至らなかった。
アメリカなどの一部の大学で検出の試みが続けられたが、結局は見つかっていない。
今日では、タキオンの検出はやられておらず、なおかつ研究としてもあまり取り上げられない。ただし、その変わった性質からSFなどの粒子として使われることが多い。
1974:オーストラリアで検出されたという報告があったが、誤認とされる。
タキオン検出の原理
タキオン検出の原理を3通り説明する。
放射を使う方法
超光速で動くタキオンはチェレンコフ放射を起こすはずなので、これを観測すれば検出できるとされた。もっとも主流だった方法。まず、セシウムなどからタキオンが放出される。これを電極をっとしてやって荷電させる。その過程で、光子を放出する。これを光子検出器で検出すればよい。
プリンストン大学で60年代に行われた。しかし、検出されなかった。
泡箱を使う方法
タキオンが泡箱で生成されるには、陽子とマイナスの電荷をもつケイ中間子の衝突が起こればよいので、何度も衝突を起こしてデータを取ればよい。
コロンビア大学で行われた。しかし、検出されなかった。
重力波を使う方法
2000年頃:このころ、宇宙論学者ゴットによって、タキオンが通りすぎる際に重力波をだすことがわかり、これを使って検出することが考えられた。
当時は重力波検出機の精度がたかくなかったが、今日では精度が上がってるので使ってみるのも面白いかもしれない?!
豆知識
・タキオンとは、ギリシア語で「速い(速きもの)」を意味する言葉「タキス」からつけられた。
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