意外と知らない地動説の根拠を詳しく解説!

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地動説が正しいことはいまや誰もが知っているが、その根拠や証拠は何かといわれれば意外と詰まる人も多いと思われる。ここでは、その根拠である「年周視差」について解説する。くわえて、年周視差の観測の歴史についても解説する。

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年周視差について簡単に解説

指を顔の前に出して交互に目をつぶって指先を見つめると、さらに指の延長線上の遠方にある物体は、左右でさしているものが異なる。これを視差という。

春分の日の地球の位置と、秋分の日の位置とをそれぞれ右目、左目にたとえ、遠方にある星を指先と捉えれば、そのさらに向こうにある星は視差によって異なって見えるはずである。

これが観測されれば、地球が動いていることが観測でき、つまり地動説が正しいことになる。

意外と大変だった観測の歴史

理屈としては単純で、観測装置さえあれば正しさが証明されるようにも思えるが、実際はかなり長い間観測ができなかった。

ティコ・ブラーエの失敗

ブラーエは年周視差の観測に挑戦した初期の人物である。彼は国王から送られた天文台(レンズなどの技術が発展していないので、直接の視力に依存する)

しかし、彼は年周視差の観測に失敗した。視差が確認されないのはコペルニクスの地動説が間違っているからだと考え、天動説を多少アレンジしたブラーエのモデルを提唱した。

ロバート・フックは不正?

フックの法則などに名を残すフックも年周視差の観測に挑戦した。かれは年周視差を観測に成功したという発表をしたが、当時の観測器具の精度では観測が不可能と今日では考えられている。よって彼は視差が観測されてほしいという心理によって見方が変化してしまったか、意図的に不正をしてデータを作ったと見られている。

ブラッドリーで一応証明

ブラッドリーもフックとほぼ同時期の天文学者で、示唆の観測を試みた。かれは年周視差については観測に失敗したものの、光行差の観測には成功した。こちらも地球が動いていることの根拠となるもので、これにより地動説のただしさが証明された。

最終的な成功はフリードリヒ・ヴィルヘルム・ベッセル

ベッセルが1838年に白鳥座にて年周視差の観測に成功した。この時点で、コペルニクスの時代からは200年以上経過している。

その後の年周視差

その後は観測機器の進歩によって、従来よりも精度よく年周視差が観測され続けている。よって、地動説の正しさは観測され続けているといえる。