ニュルンベルクの鉄の処女について解説する。実在の記録や伝説についても記述した。
現存する鉄の処女
現存する鉄の処女は、1828年に作られた複製である。1944年の空襲で破壊・焼失した。
人なかたちをした容器であり、内部にトゲを設置してある。これを閉めると、内部の罪人に刺さって痛みを与える。
内部では罪人は直立し宙吊りになる。じつは後ろからも開閉できるが、開けても罪人は逃げられない。分厚い壁は悲鳴が漏れないようにするため。
拷問と処刑両方に使われたと想像される。
鉄の処女 使用記録
数少ないが使用記録は残っている。
1515年の記録
1515年8月15日、偽金づくりの罪人が処刑された。
とげのつける場所は変えられたのではないかと予想される。これでも使用されたから数十年後らしい。
ただし、この記録じたいも1886年のニュルンベルク所蔵の「ドイツの遺産」にあるものである。
1784年の記録
旅行案内「ニュルンベルクの見所と街路図」に、鉄の処女の解説がある。
このときすでに、見所として紹介されるような昔のものというあつかいであることがわかる。
フレデリックバルバロッサはローマ帝国の皇帝であるので、かなり昔に作られたといううわさがあったことがわかる。
鉄の処女の伝説
エリザベート・バートリの伝説
バートリは自分の美貌のために少女をこの装置で殺した、またはそのために装置を作った、という伝説があるが、上に書いている処刑記録が確かならば、バートリより前の時代に作られたことがわかる。
本当は実在しなかった説の登場
文献は19世紀の研究にもとづいており、ロマン主義思想や民間伝承に影響されており、真実ではないともされる。また、現存するものは当時のものではないというのもこの説に影響している。
やっぱり実在していた?
ニュルンベルクに存在していた記録が一応当時からからあるので、実在していたこたは確かであるとおもわれる。また、使用事例も少数ながら実際にあったと考えられる。少なくとも、使用の噂があったことは確からしい。
空襲がなければ実物を検討することも可能だったはずである。それだけに焼失はおしい。
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