佐久間象山は幕末の研究者である。当時としては先進的な電子工作を行って実験までしている。ここでは、佐久間象山の発明や発見をまとめた。
佐久間象山の天才的発明
今から見ると不思議なものもあるが、多くは、電子工学でいまでも使われるものである。
地震予知器
磁石に鉄の分銅をくっつけたもの。これを軒先などにつるしておく。
地震がくる直前には、磁場が乱れて磁石から鉄が落ちるので、地震がくることが判明する。というもの。
当時から磁場の乱れが関係していると経験的に知られていたことがわかる。ただし今の科学でも地震予知は性格にはできないので、当時どれほどの精度であったかは心もとない。
てれがらふ(テレガラフ)
これは電信装置である。佐久間象山がつくっていたのは文字盤があり、回転する針が文字を示すものだったらしい。
弟子が大正時代に語った以下のような話が伝わっている。万延元年ころのことである。
「先生がこれを張れといったので銅線をはり、先生は機械のボタンを押したりせよといって鐘楼にのぼった。すると機械の針がグルグル動いて字を指した。」
ペリーが謙譲した電信機のことを聞いて、「自分が実験したものと同じものだ」、といって笑っていたそうである。
テレガラフという言葉は、幕末ものの時代劇などでも使われることがあるので、たまに聞くものである。基本的に電信一般を示すものと見てよい。
絹巻導線
絶縁のために絹を巻いた銅線。うえのテレガラフ実験でも使用している。ビニールの被膜は当時はまだなかったらしい。
なお、これを巻くことでコイルをたくさん作っていた。弟子たちががんばって巻いていたらしい。
電気治療機
電気をつかって治療に役立てるものだが、詳細はよくわからない。ショック療法?あるいはエレキテルのようなものか。
幻影鏡
これはギヤマンつまりガラスで幻影をつくりだすもののようで、ガラスに絵を刻んだものに光を当てて紙に投影すればスライドがうつる、というものらしい。
ガラスも弟子たちががんばって磨いていたらしい。
佐久間象山の天才的発見
佐久間象山は若くから蘭学の知見があった。
蘭語辞典
象山は蘭学の本をたくさん読んで学習した。そのなかで得た知見を蘭語辞典=ドーフ・ハルマとして出版しようとしていた。
大砲
蘭学で得た知識を試して、大砲の鋳造にも取り組んでいる。しかし、砲身が爆発して大砲は全壊してしまい、観衆から大笑いされ、藩からもクレームをいわれた。しかし超然としていたらしい。
最期は攘夷派にきられる
佐久間象山は攘夷派の河上彦斎に斬られて殺されてしまう。攘夷派からは西洋かぶれとみなされて危険視されていたらしい。彼が生きていれば電信の実用化が早まっていたかもと思うともったいないことである。
また、上の発明も幕末の火災で消えてしまう。なんとももったいない。