実在した永久機関7:ウィリスの永久機関

永久機関
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1850年代に、アメリカでのウィリスという男が、永久機関を製作したと主張した。彼はこれを公開して入場料を取った。しかしながら、これは当時ひろまった技術だった圧縮空気をつかったインチキであった。

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ウィリスの永久機関

ウィリスの永久機関の展示

1850年代:アメリカ、コネチカット州でE.P.ウィリスという男が、永久機関と称する機会を製作。この男は技師をしていた。

同時期:ニューヘイブンで公開し、入場料を取る。

ウィリスの永久機関

右側の斜めの車輪にはギザギザがついている。車輪の上には両端に重りがついたスライドバーが十字についていて、この重りの非平衡によってずっと動くと主張した。

左側の車輪はスムーズに動き続けるためのはずみ車である。

装置は透明なガラスケースに納められており、見物人は触ることはできなかった。

1856 :ウィリス、ニューヨークに移り、展示を継続

このとき、主催者は点字について「あくまで装置がどのように動いているかを考えさせるのが主眼であり、永久機関を見せているわけではない」というふうに一種の言い逃れ(?)のような言及をしたらしい。

同年:弁理士がウィリスの永久機関をチェックした。この時、弁理士は装置に全く必要のない怪しい横木があることに気付いた。この弁理士は装置がよくあるインチキだと感じたようである。

1871:弁理士がウィリスの永久機関などについてコメントを残した。「水が永久にめぐり続ける水車はいまだにつぎつぎ提出されている」ということである。

ウィリスの永久機関のトリック

実際には、図のなかの横木から圧縮空気がおくられており、それが車輪を動かしていた。

見えにくいが、図のなかにあるAという文字の右側にある、車輪の真下の横木がパイプになっていて、はずみ車の方を回転させていた。

Aという文字のそばにある横木がトリック

つまり、はずみ車を回転させている、と説明された斜めの車輪のほうは、回転される側だったということである。

良く使われるトリックとして、装置の四隅の柱のうち一本がパイプになっており、そこから仕掛けを装置につなげるというものは存在した。この装置でも、圧縮空気は市中から送っていたとおもわれる。 

豆知識

・物理学者のファインマンは、この装置について本で読んで知っていたらしい。

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考察

・弁理士が気付いた
この永久機関の詐欺では、科学者ではなく特許にかかわる弁理士がトリックの暴露に貢献している。これは弁理士の側のリテラシーがかなりレベルが上がっていたことがわかる。また、この時代までに、似たような永久機関を作ったので特許がほしいという提出を受けており、弁理士もややうんざりしていたということがわかる。

・一般人にも広まった?
主催者が「あくまで装置がどのように動いているかを考えさせるのが主眼」とごまかしていることから、永久機関がインチキということが、一般にも広まっていったような印象を受ける。時代的にも、科学の世界でもエネルギー保存則や熱力学第二法則の定式化と時期を同じくしている。