実在した永久機関8:オルドリッチの永久機関

永久機関
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オルドリッチという男が19世紀末に起こした永久機関にまつわる詐欺事件。

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1890年代:J.M.オルドリッチ、永久機関の制作に取り組む。この過程で、うまくいかないことに気づいていた。

1897:ペンシルベニア州で展示。この時は勝手に動くモーターという主張をした。このとき、点字を見た人から金銭を得る。また、このとき、「このマシンから将来的にえられる利益は配分します」という主張もしていた。

中央がはずみ車で、その下にあるのがブレーキ(!)である。左右の柱の上にあるのが重力を利用した動力源と主張されたもの。これは腕木に重りが付いたもので、左右で角度をずらしている。これらは一方が重りの不均衡によって下に下がり、下がりきると反対側が不均衡となって下に下がり・・・という動きをするとされた。

直後:詐欺の疑いで刑務所に留置される。しかし、証拠不十分で釈放。

その後、懲りずに再び展示をして利益を得た。

1899:機械が疑っている人の手に渡り、モデルの検分がされる。X線による調査でトリックがばれた。

1899:サイエンティフィック・アメリカン誌で事件の詳細が記事になった。

オルドリッチの永久機関のトリック

オルドリッチの永久機関は、土台に隠された機械仕掛け、ぜんまい時計仕掛けによって動かされていた。

土台に時計仕掛け

土台にあるぜんまい時計仕掛けはスプリングと歯車で作動し、それが柱の内側を通じて車軸に伝えられて回転しているに過ぎなかった。

ねじを巻くための小さな穴がブレーキの下に隠されていた。こっそり巻いていたものと思われる。

偽装工作としては、巧妙に怪しいつなぎ目などが見えないようにしており、このことがマシンを奪われるまで仕掛けがばれなかった一因でもあった。

オルドリッチは当初、本当に永久機関を作ることを夢見たようだが、結局、各パーツが摩擦を生んで永久機関は得られないと分かり、その研究や製作にかかった費用を回収してあわよくばもうけるため、詐欺行為に及んだというのが動機だった。

豆知識

・サイエンティフィック・アメリカンは、それでもオルドリッチの手先の器用さはある程度称賛するコメントを残している。

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考察

・X線でトリックがわかった!
オルドリッチの永久機関のトリックは、この時代の最先端の技術であるX線によってトリックがわかるという近代的なばれ方をした。このことから、X線技術のインパクトの強さがわかる。これ以降、内側に仕掛けを作って機会を動かす技術は急速にすたれていく。

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