LSDは幻覚作用のあるドラッグとして知名度はあるものの、「どんな効果を期待して研究されていたのか」についてはくわしくは知られていません。ここでは、その効果と歴史について解説します。
なお、違法ドラッグの使用をすすめるものではありません。:ダメゼッタイ公式サイト
LSDの効果
LSDには、以下のような効果と副作用が確認されています。
効果
- 猜疑心を鈍らせる効果
- 痛覚の麻痺
副作用
- 強い色彩をともなう幻覚
- 幻聴
- 方向感覚の麻痺
- 認識の混乱
- 倦怠感
- 情緒不安定
- 鬱状態
結局のところ、何らかの疾病にたいする治療薬としての役割があたえられることは、当然ながらありませんでした。
また、「トリップ」ということばは、もともとはアメリカ陸軍化学兵器部隊のつくった言葉で、LSD実験をしめす用語だったようです。
LSDの歴史
LSDは1950年代に歴史の表舞台に登場しますが、ある種の薬を熱望する集団にとっては、大きなセンセーショナルを呼び起こした存在でした。
CIAの目論見
1950年代初頭に、CIAは意識を混濁させる薬というのを研究しはじめました。
CIAがこのような薬を欲しがっていたのは、自白剤として使うためでした。
つまり、意識の混乱状態で尋問を行えば、真実を語らせることができると思われたということです。
軍の目論見
アメリカの軍隊のなかでも、LSDの研究が1960年代の半ばまでには始められていました。
陸軍化学兵器部隊がこの研究を担当していました。ねらいとしては、大規模戦闘のときに強力な力を発揮できる薬を求めてのことでした。
1500人程度の軍属の人物が、実験の被験者になったことがわかっています。彼ら元兵士は激しい鬱状態や、情緒不安定に襲われたことをのちに明かしています。
LSDの平和利用?
LSDは平和利用も考えられ、刑務所の囚人に投与してみたらどうなるか、という実験がおこなわれました。
この研究をしていた代表的人物が、ティモシー・リアリーで、ジョン・レノンの友達でもありました。
結果としては、囚人たちがおとなしくなった、という主張がされましたが、信憑性がすくなく、その後の副作用の深刻さからこのような利用はされていません。
文化のなかでの効果
ロックミュージックの分野では、LSDの幻覚作用、幻聴作用を音楽で表現するというのがブームになりました。
ビートルズのメンバーがLSDをやったり、紅茶にマリファナを混ぜて飲んでいた。などは有名です。
このことからあらぬ噂もでまわり、「Lucy in the sky with diamonds」は頭文字をとるとLSDなるから、トリップ体験の歌である。とか、
ジミヘンドリックスの「Purple haze」はドラッグ体験を表現した歌だとかいううわさも飛びかいました。
ただし今日ではどちらも否定されています。
まとめ
- LSDは、痛覚のマヒなどの効果を持つが、副作用が大きすぎてとん挫した。
- 囚人に投与するなどの研究もおこなわれた。
- ロックミュージックにも影響を与えた。
このように、効果以上に副作用が大きかった薬というのも、表に出てこないだけで数は多いのかもしれません。ダメゼッタイ。