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競馬では写真判定が使われることがあるが、その歴史をまとめた。あわせて、写真を使ったハナ差、クビ差の定義を解説する。
日本で導入されたのは、20世紀後半に入ってからであった。
1951年に写真判定のテストが始まり、これは当初パトロールフィルムといわれた。当時は写真が撮影されてから数十秒後にネガが出来上がり、それを引き伸ばしたりして着差を判定していたようだ。
その後、ビデオカメラが導入され、動画による着差の確認ができるようなった。これはパトロールビデオと呼ばれていた。
1968年にモノクロのテストが行われ、1970年にカラーのテストがおこなわれ、1973年までには全競馬場でビデオが導入された。
ぎりぎりの着差の2頭を、写真判定における縦線の本数によって、ハナ差などを定義する方法がある。この方法では、線の本数によって数値的に着差を定義でき、わかりやすい。馬体の伸縮具合によって変わることもあるが、おおよそ以下のような基準でおこなわれている。
ハナ差は、写真判定の縦線が約3本分の差のとき、鼻の先からハミまでのときに使う。これが、目算ではだいたい馬の鼻の大きさである。(上図赤線)
アタマ差は、写真判定の縦線が約5本分の差のときに使う。鼻の先から耳までのときに使う。これが、目算ではだいたい馬の頭の大きさである。(上図黄線)
クビ差は、写真判定の縦線が約12本分の差のときに使う。鼻の先から手綱を握っているところまでのときに使う。これが、目算ではだいたい馬の首までの大きさである。(上図青線)
ゴール版の周りには、計測用の機器が多数導入されている。結果として、大きいサイズになっていった。
ゴール板に正対するかたちで、写真判定用のカメラが設置されている。ゴール板が立っている主な理由がこれである。このカメラの位置は、写真判定の際のスリットが正しい長さになるように調整されている。
僅差で馬の群がゴールに突入したとき、観測者の反対側の様子が見えたほうが、隠れている部分が見えるので着差がわかりやすい。このことから、ゴール板が鏡の役割を担っていることがある。
ゴールの位置に赤外線センサーを置くことで、一着の馬が突入すると同時に、赤外線センサーが作動するようになっている。発光機と受光機がついになって設置されている。これは時間計測と連動しており、センサーの反応とともに記録がつけられる。
その後、ゴール板の周りなどに豪華な飾りがつけられるようになり、競馬場ごとに特有のさまざまな形をとることになった。今日では、ゴール板でそれぞれの競馬場を見分けられるほどにシンボルとしての役割を持つようになった。