ハー・マジェスティはビートルズの名盤である「アビィロード」の最後を飾る「世界初の隠しトラック」ともいわれる楽曲である。本来はメドレーの中盤に位置していたが、諸事情ではずされた。これが元の位置にある音源がリリースされている。ビートルズ史上もっとも短い曲について、どこよりも長く解説をこころみる。
当初の配置のメドレーが公開されていた
メドレーの当初の姿
メドレーの途中にもともとハーマジェスティがあったことは知られていたものの、音源はぶー取れ具が流出したものしか存在していなかった。日本では、ニコニコ動画に音源と思われるものが聞くことができた。しかし、これについても「ファンがそれっぽくつないで再現したもの」という憶測もゼロではなかった。
公式音源
そんな幻のメドレーであるがしれっと公式から2019年に音源がリリースされていた。これは誰でも聞くことができるようになった。
動画の概要欄には途中にハーマジェスティが追加されているが、タイトル自体は「ザ・ロングワン」となっていて、ハーマジェスティが途中にあることは若干わかりにくい。このため、見落としていた人も多いと思われる。
ニコニコのほうは本物か?
同時に再生してみると、曲の入りはぴったりあっているが、ポリシーンパンに入るのが微妙にずれている、ニコニコのほうはファンの作ったものか、また別の音源だったのかもしれない。
ハーマジェスティを中間に含むメドレーの特徴
このメドレーのハーマジェスティも、もともとの音源と同じ、音が右から中央へ、そして左へ流れていく形になっている。最初の音は、そのままミーンミスターマスタードの最後のおとそのままである。
メドレーは未完成の箇所が多く、完成版音源との違うところは、以下が顕著である。
・ユーネヴァーギブミーユアマネーのコーラスが目立っている。
・ポリーシンパンのあとのレノンの語り台詞が多く、目立っている。
・ゴールデンスランバーのボーカルが異なる。
・ジエンドのボーカルが収録されていない。(カラオケ状態)
などである。
和訳
たった23秒の曲である。ないようは女王陛下とよばれる(高飛車なのか?)女性を口説きたいといった内容の男の独白であることがわかる。
女王陛下はとてもかわいい娘。でも話すこともない。
her majesty
女王陛下はとてもかわいい娘。でも日々気まぐれ。
「本当に好きだよ」って言いたいけど、ワインを浴びるほど飲まないと言えそうもないや。
でもいつかきっと僕のものにしてみせる。そう、いつか僕のものに。
ハーマジェスティの成り立ち
もともとはメドレーの一部に組み込まれていたが、エンジニアたちスタッフが切り取ることを主張し、はずされた。
しかし、レコード会社の以降はビートルズの音源は極力多く残しておくことだったため、一番最後に、空白をあけた跡にとりあえず、入れておいた。これで隠しトラックとしての立ち居地に収まった。
販売当初は、「女王陛下の呼び方を曲に使うのは失礼である」というような批判もあったようだが、一方で「ビートルズなりのジョーク」という見方もあったようである。
当初はアルバムにも曲名の記載はなかったが、CD音源以降のこんにちでは一番最後の曲として記載されている。