歌詞和訳|All You Need Is Loveフランス国歌の意味,誤訳,二重否定|解説

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ビートルズの「All You Need Is Love (愛こそはすべて)」について、歌詞の和訳・背景の説明を試みていく。さらに、フランス国歌が使われている理由も詳しく解説するとともに、誤訳といわれるわけや二重否定のとらえ方なども述べていく。

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All You Need Is Love(愛こそはすべて)歌詞和訳

All You Need Is Love(愛こそはすべて)歌詞和訳

さっそく、歌詞の和訳を見てこう。ただし繰り返す個所は省略している。また、同じ英文でも意訳している部分がある。以下、和訳とともに背景として参考になる知識も解説していく。

There’s nothing you can do that can’t be done
Nothing you can sing that can’t be sung
Nothing you can say, but you can learn how to play the game
It’s easy

君にできないことなんてない
君に歌えない歌なんてない
今は言葉にできなくても、ふれあう方法を覚えることはできる
簡単な事さ

Nothing you can make that can’t be made
No one you can save that can’t be saved
Nothing you can do, but you can learn how to be you in time
It’s easy

君に作れないものなんてない
君に救えない命なんてない
今はできなくても、いずれ君が望むものになれる
簡単な事さ

in timeは直訳だと、間に合う、という意味である。

All you need is love
All you need is love
All you need is love, love
Love is all you need

君に必要なのは愛
君に必要なのは大好きだという気持ち
君に必要なのは打ち込む熱意

そう、愛こそはすべて

レノンはのちに名言として「根本的な才能とは、自分にはそれができると信じることである」という言葉を残している。

There’s nothing you can know that isn’t known
Nothing you can see that isn’t shown
There’s nowhere you can be that isn’t where you’re meant to be
It’s easy

君にわからないことなんてない
君に見つけられないものなんてない
今は居場所がわからなくても、いずれそこにたどり着く
簡単な事さ

meant to beは、直訳では、~であることになっている、という意味である。

All you need is love (all together now)
All you need is love (everybody)
All you need is love, love
Love is all you need

君に必要なのは愛(さあみんな一緒に)
君に必要なのは大好きという気持ち(みんなも)
君に必要なのは打ち込む熱意

そう、愛こそはすべて

後半の繰り返し部分ではマッカートニーによる合いの手が入る。この部分はボーカリストとしての観客との掛け合いのうまさを感じることができる。

のちに「all together now」というタイトルの曲が発表されるが、関連があるのかもしれない。

二重否定の意味

この歌詞では、二重否定が印象的に使われている。この訳し方のコツは以下のようなものである。

二重否定には、基本的には言語を問わず使える。

まず、否定に使われる単語の二か所を相殺させて、肯定文の形にしてしまうことである。そうすると、肯定文として意味がつかみやすい。

例えばこの曲の場合では、

there’s nothing you can know that isn’t known

there’s a thing you can know that is known

と前後の否定語を相殺させて肯定文の形に変えてみる。すると直訳で「君の知っていることでわかることがある」という単純な形になり、意味が取りやすい。

また、ヴァース部分では二重否定を多用しているのに対して、コーラス部分で「すべて」という言葉を含む肯定文を使っているのが聞いていて強烈なギャップを放ち、高揚感を感じさせる。

なぜフランス国歌が使われている?誤訳とは?

ここでは、歌詞の内容にかかわる背景や関係する疑問などを解説していく。

なぜフランス国歌「ラ・マルセイエーズ」がイントロなのか

この曲のイントロにフランス国歌「ラ・マルセイエーズ」をつけ足そうと発案したのは、オーケストレイションを担当していたプロデューサーのジョージ・マーティンであったとも言われている。

もちろんレノンが最終的に同意した人物であることは確かである。

この曲が選ばれた背景としては、以下の理由がある。

まず、これが全世界での同時テレビ生中継「OUR WORLD」にて演奏される予定があったことから、一種の国際性を出すために選曲されたという点である。国家の中でもフランス国歌はフランス国旗とあわせて「自由・博愛・平等」というテーマを持っていることから、選曲されたと考えられている。

また、この曲以外にも愛こそはすべての局内には様々なジャンルから引用が行われている。有名なものでは「インザムード」のイントロなどである。

また、よく聞くとレノンが自らアウトロで「イエスタデイ」「シーラヴズユー」をセルフカバーしている。

このような音楽の引用をしているのは、この時のレノンが「音楽によるコラージュ作品」を目指していたからといわれている。

誤訳とは?

この曲について特に歌詞の和訳などを調べていると「誤訳」というキーワードが目に入るであろう。

これは、過去に公式で出された歌詞の和訳が二重否定を肯定的な意味ではなく否定的な意味で出してしまい、のちにファンなどから誤訳であるとの指摘を数多く受けたという出来事に由来している。

このようなクレームがついてしまったのは2000年に出されたベストアルバム「1」に封入されていた翻訳であり、そこでは例えば二重否定の部分で「歌えないものを歌おうとしたって無理」といった具合で否定文が続く文章になっている。

たしかに、否定語を二つ続けることで肯定ではなく非常に強い否定を表すというのは洋楽でもしばしばみられる。

たとえば「(I can’t get no) satisfaction」などがそうである。

しかしながらこれは当時のレノンの心境など背景を考えると、否定文ではあまりに”レノンらしくない”歌詞になってしまうという感じである。

まとめ

ここでは、all you need is love(愛こそはすべて)の歌詞の和訳と解説を行った。

この曲にラ・マルセイエーズが使われている理由や、二重否定に関する誤訳なども解説した。

のちにリングスターはこの曲に関するコメントとして、「ラブアンドピースこそがこの曲で言いたいこと」という評価をしている。それだけ時代を超えた普遍的な価値を発していることがわかる。

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