工学の進歩とともに現れた厄介な課題の一つであるキャビテーション。その解明に挑んだキャビテーション研究の年表。ひどい場合はプロペラの破壊をもたらすなど深刻な問題である。
1894:大型船デアリング号の試運転がなされるが、スクリューをどんなに回しても予定していた最高速度をかなり下回る速度しかだせず。当初は未知の現象であり、原因が不明であった。この原因をキャビテーションとなづけた。
1909:テイラー、プロペラ実験で翼の速度との関連を明らかにする
1917:rayleigh、圧力発生の原因を解明
1932:翼の形状との関連を解明
同時期:キャビテーション係数の導入
1936:沼知、空気含有との関連を解明・・・日本人研究者による進歩である。
20世紀前半:Knapp、キャビテーションの写真撮影に成功
20世紀の前半には、ほぼ解明が進んだことがわかる。
20世紀後半:スーパーキャビテーションの研究・・・これはキャビテーション利用して工学的に役立てるという発想
豆知識
・デアリング号の問題は、当初はプロペラの裏側に水がまとわりつくのが原因だと考えられていたようである。
・テッポウエビはキャビテーションで衝撃を与えることができる。人類より先にキャビテーションを利用した例!?
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考察
・文明の進歩が気づかせた課題
プロペラを用いて船で、高速で移動しようという実験ができるまでは、顕在化しなかったのがキャビテーションであった。文明がしんぽすることで新しい工学的な課題ができた例の一つである
・厄介な課題を利用する
自然現象は良い面をもたらすものもあれば悪い面もある。キャビテーションはやっかいな問題であり、悪い面から見た研究の歴史であるが、それのよい作用を認めて利用するという面が見いだされた例である。今後はスーパーキャビテーションの応用事例が多数でてくることを期待したい