クリプテックスは実在する?元ネタ3つを考察!パピルスは酢で溶けるの?

映画元ネタ
Pocket

こんにちは!今回は、ダン・ブラウンの大ヒット小説『ダ・ヴィンチ・コード』に登場するあの神秘的な装置「クリプテックス(Cryptex)」について掘り下げていきます。

映画や小説で見かけるあの秘密の鍵、実はどこまでが本当で、どこからがフィクションなのか気になりませんか?

今回は、クリプテックスの正体と、その元ネタとなった歴史的なアイテムを3つご紹介します!


\当サイトではリンク広告を利用しています。/

クリプテックスってそもそも何?

クリプテックスとは、『ダ・ヴィンチ・コード』に登場する秘密の文書を守るための特殊な装置です。

見た目は複数のダイヤルがついた筒状のもので、正しいパスワードをダイヤルで合わせないと中の秘密の紙(パピルス)を取り出せません。

他にも特筆すべき仕掛けがあり、

  • アルファベットの単語を正しく組み合わせないとあかない
  • 無理にこじ開けようとすると、中の割れやすい小瓶がわれて酢がこぼれだし、内部の秘密のパピルスを溶かす。これにより秘密は失われる
  • 落下させたりしても同様に酢が漏れ出す。よって、丁寧に運ばないといけない

この仕組みがミステリアスで、物語の重要なカギを握っているのがクリプテックスなんです。

クリプテックスの名前の由来・意味は?

「クリプテックス」という言葉は、「クリプトグラフ cryptgraph(暗号)」と「コーデックス codex(冊子や文書)」という2つの言葉を組み合わせた造語です。

クリプトスは古代ギリシャ語で「秘密の」という意味です。

つまり「暗号化された文書を守る容器」というイメージが名前に込められているんですね。

この名称も小説用に作られた言葉で、歴史上で使われたことはありません。


クリプテックスは実在するの?ダ・ヴィンチが作ったの?

よくある疑問ですが、結論から言うと、クリプテックスは実在しません!

また、レオナルド・ダ・ヴィンチがこの装置を発明したという証拠もありません。

これは完全に小説のために考えられた架空の装置なのです。

歴史的資料や博物館にそのような物が存在するという記録は一切ないのが実情です。

ダヴィンチ本人は暗号化や秘密保持については鏡文字の仕様などが知られていますが、何かしらの機械に隠したりした記録はありません。


クリプテックスの元ネタ3つを解説・考察!

実はクリプテックスのデザインや仕組みは、いくつかの歴史的なアイテムや技術からインスピレーションを得ています。

ここからは、その元ネタとなった3つのアイデアを見ていきましょう。


1. からくり箱(パズルボックス)

古くから世界中に存在する「からくり箱(パズルボックス)」は、複雑な仕掛けや謎解きをクリアしないと開けられない箱のことです。

日本の江戸時代には秘密の引き出しを持つ箱が作られ、西洋でも多くの複雑な仕掛け箱が伝わっています。

中には複数の鍵やダイヤルを使ったものもあり、まさにクリプテックスのイメージにぴったりです。

このような仕掛け箱は、所有者の秘密を守るために発達してきました。

おそらく作者は、このような実在のからくり箱から仕掛けを考えて、クリプテックスの仕組みを考案したものと思われます。


2. 古代の暗号技術

古代ギリシャのスパルタで使われていた「スキュタレー暗号」も、クリプテックスの秘密保持の考え方に通じています。

これは棒に紙を巻き付けて文章を書き、それを同じ太さの棒に巻き直すことで正しい文章が読めるという暗号技術です。

古代の人々も工夫を凝らし、情報を隠す技術を持っていたんですね。

この暗号のアイデアは、クリプテックスの「パスワードを合わせて秘密を守る」コンセプトの遠いルーツと言えます。


3. ダイヤル錠(コンビネーションロック)

クリプテックスの多重ダイヤルは、実際のダイヤル錠にインスパイアされています。

現代のコンビネーションロックの特許は19世紀に取得されましたが、古代から似たような仕組みは存在しました。

実際、アテネの古代遺跡からも複雑な鍵の仕組みが見つかっており、コンビネーション的なアイデアは古くからあったことがわかります。

この技術の進化があってこそ、クリプテックスのような多重ダイヤル式の装置がイメージできるのです。


パピルスって酢で溶けるの?

もう一つのギミック、酢で溶けるパピルスについても見てみましょう。

🔍 パピルスとは?

パピルスは、古代エジプトなどで使われていた紙の原型のようなもので、パピルス草の茎を薄くスライスして編み込み、圧着して乾かしたものです。

植物繊維でできているため、現在の紙に近い性質もありますが、水分や酸、アルカリに弱いという特徴があります。


🍋 酢でどうなる?

酢の主成分は酢酸(さくさん)という弱い酸性の液体です。

酢酸は弱酸性ですが、長時間触れたり浸したりすると、以下のようなことが起こりえます:

  • 繊維がゆるんでボロボロになる
  • 接着していた部分が剥がれる
  • 時間とともに変色・劣化する

ただし、「酢をかけた瞬間に溶けてなくなる!」ということはありません。
現実的には、濡れて柔らかくなり、繊維がもろくなって破れやすくなる、というイメージです。

なので、ダヴィンチコード内の描写は、特殊な紙を使っているか、やや誇張された表現と考えられます。

現代のクリプテックスは買える?

面白いことに、小説『ダ・ヴィンチ・コード』の人気を受けて、実際にクリプテックス風の仕掛け箱が商品化されています。

今ではAmazonなどの通販サイトで手軽に購入可能です。

複数のダイヤルでパスワードを設定でき、中に秘密のメッセージを入れておける楽しいアイテムとして人気があります。

物語に触発されて、現代の謎解きグッズやギフトとしても注目されているんですね。

まとめ

ここまでのポイントをまとめると…

  • クリプテックスは『ダ・ヴィンチ・コード』の架空のアイテムで、実際には存在しません。
  • レオナルド・ダ・ヴィンチが作ったわけでもありません。
  • 名前は「暗号(クリプトグラフ)」と「文書(コーデックス)」を組み合わせた造語です。
  • 元ネタは「謎解き仕掛け箱」「古代の暗号技術」「ダイヤル錠」という歴史的な3つの要素からインスピレーションを得ています。
  • 現代では小説に触発されて、クリプテックス風の仕掛け箱が商品化され、Amazonなどで購入可能です。

歴史的な謎解きや秘密の仕掛けは古今東西で愛されてきました。

そんな長い歴史の中で育まれたアイデアが、今の小説や映画の面白い仕掛けとして生まれ変わっているんですね。

クリプテックスを知ることで、物語の世界をもっと楽しめるようになると思います!

\当サイトではリンク広告を利用しています。/
映画元ネタ