知的財産のひとつである商標にも、興味深い自称が存在する。この記事では、それをまとめた。商標は名前・マークを伴うものなので、知的財産の中でも身近に感じる事柄でもある。
商標のルール:同じ商標が同じ日に申請されたら?
商標が同日に申請された場合は、協議し、それでも決まらなかった場合は、くじ引きとなる。また、保護の期限が来ても申請すれば延長が可能なので、事実上、永久に保護することもできる。
ちなみに特許の場合は、くじ引きはないので注意が必要である。また、保護期間の上限は決まっているので、永久に保護はされない。
日本初の商標登録第1号、商標の歴史
日本では、701年の大宝律令により、刀剣の生産者の名前を刻印することが義務づけられたことが商標の始まりといわれている。
登録する法律は1884年に制定され、1885年6月2日に京都府の薬売りだった平井祐喜が登録した商標が日本で始めての商標である。このマークは指を切ってしまった板前を描いたもので、平井の薬を塗れば直るというアピールでもあった。
建物についた商標
建物にも商標は適用できる。
東京スカイツリー
建築物の名前も、商標の対象になりうる。東京の新しい名所となた東京スカイツリーも、商標で保護されている。
オープンの5年前2007年10月24日に出願されており、権利者は東武鉄道株式会社、東武タワースカイツリー株式会社となっている。他者が先に「東京スカイツリー」について商標登録を受け、この商標を使用することが起きるのを未然に防ぐため、名前が決定する前から既に商標登録出願をしたもの。
ただし、「トウキョウスカイツリー」という読み方で検索をしてみると、20件の商標登録がされている。これは間に「・」を挟んだものなどがある。
商標に関する事件など
アマビエ登録騒動
新型コロナウイルスの影響で、疫病を鎮める神様である「アマビエ」がブームとなった。アマビエについて、電通が2020年6月30日に商標登録を出願したもの。これについてSNSでは「#電通のアマビエ商標登録に抗議します」というハッシュタグとともに、反対の声が広がっていた。
結局、7月6日に取り下げたと話題になった。
電通側の理由としては『アマビエ』という名称を使うキャンペーンを検討していたが、再検討することとなったと出願取り下げの理由を説明している。
ただし、すでに「アマビエ」や「あまびえ」の商標登録の出願は、7つの企業や団体から計11件出ているということである。