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ロボットやCGで人間に近い物を作ると、ある程度近づいたところでぎこちなく見え始める「不思議の谷現象」の実例と歴史について述べる。
不気味の谷現象は、日本人ロボット研究者の森政弘が1970年に提唱した。当初はロボットのぎこちなさを指していたようだが、CGなどで先に実例が増えていった。
CGと、ロボットについてそれぞれ存在する。また、現実に使われるものと、SF映画などの登場キャラクターのそれぞれで発生する。
1990年代:「Tin Toy」というピクサーのCG映画に出てくる赤ちゃんのキャラクターが不評だったらしく、これがCGアニメの業界が認識した初期の例とされている。
2001:劇場版ファイナルファンタジー
不気味の谷が低評価の原因とされ、不気味の谷現象の代表的事例として有名。
未来を描いたSFにでてくるもので不気味なものが存在する。
2000:「シックス・デイ」シュワルツェネッガー主演の映画。子供用のお人形ロボットがかなり不気味。
2003頃:リプリーQ2の研究。現実のロボットの例。これで実験を行い、ここまで似せたものを見せたら、反応が悪くなったので、実験的にも不気味の谷現象が確かめられた。
日本のクリエイターによってつくられたCGの女子高生キャラクター「Saya」は、不気味の谷をこえたとも評された。このキャラクターの登場の前後でCGの技術も鑑賞に堪えうるものになり始めたという点で、マイルストーンとなった。
現状では、あえて人間から遠ざけることで、回避をしているとも言われている。
今後も不気味の谷がずっと成り立つかは議論がある。根拠としては、以下がある。
慣れる説・・・我々は最初、不気味に思っても、そういうものだと慣れてしまえば不気味には思わないのではないか、というもの。また、はじめからロボットやCGが当たり前の世代が生まれ成長したら、その世代には不気味の谷は起こらないのではというもの。
技術が改善する説・・・技術的に低レベルだから不気味の谷がおこるのであって、さらに人間に近づけば不気味の谷は起こらないのではというもの。