アルキメデスの螺旋は、数学者アルキメデスが研究した螺旋です。また、日本ではアルキメデスの螺旋揚水器のことを指すこともあります。ここでは、この2つを解説するとともに、アルキメデスのいろりろな発明品について解説します。
アルキメデスの螺旋(数学)
こちらはアルキメデスの数学者としての仕事のひとつです。
これは、非常に単純な数式で表される螺旋形であり、数式は以下のようにシンプルです。
これは角度と半径をあらわした数式(極形式)であり、一定の定数が角度に掛け算されることで半径が大きくなっていきます。
これを図で書くと、以下のように一定の幅でどこまでも続く螺旋を書くことができます。
いわゆる「代数螺旋」という分野において、最も基本的な螺旋という特徴も持っています。
この螺旋の特徴としては、一定の幅で広がっていくということもありますが、角度をマイナスのほう(時計回り)にうごかしても、左右対称で同じような図形が描かれることが知られています。
アルキメデスの螺旋(揚水器・ポンプ)
この装置はアルキメデスの螺旋揚水器として知られています。日本では、アルキメデスの螺旋というとこちらの意味でも使われることもあるようです。
螺旋の構造で管の中で回転させることにより、片方を水に入れて動かすと徐々に水は水位を上げていき、最終的には上端からあふれ出てきます。
これは現在でも使われている場所もあるようです。
アルキメデスの発明した兵器
アルキメデスは発明家あるいは技術者としても活躍しており、これを利用してシュラクサのまちに攻め込んだローマ軍を大いに苦しめました。
この様子はプルタルコスの「英雄列伝」にいろいろ載っています。
たとえば、次のような様子が描写されています。
アルキメデス側が城壁の上でさまざまな機械を操作しているのをみて、ローマ兵は恐怖した。
英雄列伝 より
スコルピオン(さそり形の投石器)
スコルピオンとは、彼が発明したさそりの形に似た小型の投石器で、これも英雄列伝に記載があります。
これは詳細は語られていませんが、小型であること、スコーピオン(さそり)ににていたことは確かです。
おそらく、さそりの尾ににた部分に意思を乗せて、ばねなどの弾力で飛ばしたものと思われます。
使われた状況としては、城壁に近づいてきたローマ兵に対して遠隔に岩をとばすのではなく、近接用に使われたことがわかっています。
他の発明
他にも物理的な装置を作っています。
船を一人で動かす滑車
アルキメデスは船を自分ひとりで動かすことができる装置を製作していました。
仕組みとしては、動滑車を組み合わせて、仕事の原理により力をいれずに船を動かすことができる装置といわれています。
記述では、座ったまま、装置を腕で動かしただけで大きな船を水面の上を引き寄せたといわれており、これを見ていた王もかなり驚いたようです。
天体観測機器
彼の最期は、「私の図形を踏むな!」と言い残してローマ兵に刺し殺されたという逸話が有名です。
これにはほかの伝説もあり、そこでは、死後に運び出された器具の中には、天体観測装置と思われるものが残されていたようです。
その装置は、推測では「太陽の大きさを測る機械」といわれており、覗き込むことで星の半径を観測し、そこから計算で太陽の大きさを測ろうとした、と考えることができます。
まとめ
- アルキメデスの螺旋は、数学における単純な螺旋である
- 螺旋揚水器も有名であり、こちらの意味もある
- 他にも兵器、道具を数多く製作している
アルキメデスは技術者として有能なのはもちろんですが、軍事指導者としてももしかしたら有能だったのかもしれませんね。