「パイレーツオブカリビアン:最後の海賊」では、天文学に詳しい科学者のヒロイン、カリーナ・スミスが登場し、時代背景もあって魔女といわれます。このキャラクターには元ネタやモデルがいたのかなどを解説していきます。
女性の科学者・天文学者が珍しかった時代はある
パイレーツオブカリビアンの時代背景として、女性が科学者であることが珍しかった時代は実際にありました。
ヨーロッパの科学アカデミーですら、女性科学者が会員になることを認めるようになったのは19世紀の末頃のことです。
天文学に携わっていた女性は少数ながらいましたが、たいていは夫などの男性の家族が天文学者であり、その手伝いをしている、というのが実態ではありました。
そのような背景もあるので、パイレーツオブカリビアンの時代には女性が科学者であることは珍しいことでした。
こうした女性科学者の先駆者のような人が魔女狩りにあった事例は具体例があったかは不明だったのですが、たしかに、女性があやしげな星占いをしている、というような告発があったりすれば魔女狩りに合う可能性は0ではないでしょう。
カリーナ・スミスのモデルはケプラーの母親?
カリーナ・スミスには直接のモデルや元ネタとなった人物はいたのでしょうか?
調査してもモデルにしたという公式の発言がある人物はいませんでしたが、キャラクター造形に影響を与えたと考察できるような人物はいます。
それが天文学者ケプラーの母親で、魔女狩りで投獄されたこともあるカタリーナ・ケプラーです。
魔女狩りで捕まった天文学者ケプラーの母親カタリーナ・ケプラー
カタリーナ・ケプラーは有名な天文学者ヨハネス・ケプラーの母親として知られている女性です。
日本では知名度はありませんが、地元には銅像も作られているようです。
カタリーナ・ケプラーは1615年に魔女狩りの告発により、高齢にもかかわらず独房に捕まりました。
この時は、息子のケプラーが法的な手続きを担当する必要に迫られ、また裁判も長引いたようですが、一応、息子によって助け出されています。
最終的に、カタリーナ・ケプラーの疑いは晴れますが、自分の村に帰ることは禁じられ、解放された1年後くらいにこの世を去っています。
天文学者だったのは息子のほうですが、魔女狩りで捕まったことがある女性ということでパイレーツオブカリビアンの物語を作るうえで参考にされたかもしれませんね。
ちなみにケプラーは少年時代の1577年に到来した彗星を目撃しています。この時の彗星はきっと母親のカタリーナも見ていたのでしょう。
まとめ
- パイレーツオブカリビアン最後の海賊に登場するヒロインは女性科学者であるが魔女狩りで捕まっており、これは女性科学者が珍しかった時代背景を参考にしている。
- 天文学者の女性は男性家族の手伝いや助手という形がよくある形だった。
- モデルや元ネタは、天文学者ケプラーの母親カタリーナ・ケプラーなどを参考に設定されていると考察される。
望遠鏡をのぞいただけで魔女狩りで捕まるというのはよく考えると理不尽ですね。