ロンギヌスの槍の本物はどこ?実在する一番古い聖槍を比較して検証!

映画元ネタ
Pocket

2023年に公開された映画『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』では、物語の冒頭に「ロンギヌスの槍」が登場します。

インディ・ジョーンズといえば、「秘宝」や「神話的遺物」が登場する冒険映画として知られていますが、今回はあのキリスト教伝説の遺物「聖槍」がその焦点に据えられました。

しかしこの槍、実は現実にもいくつか「本物かもしれない」と言われる候補が存在しています。
それどころか、レプリカも歴史上に実在し、ナチスまでが関与していたとされる、まさに歴史と伝説の交差点にある遺物です。

この記事では、

  • ロンギヌスの槍の伝説と背景
  • 現存する「本物の候補」の所在地と特徴
  • 一番古いのはどれか?
  • 映画に登場したレプリカの実在性
  • ナチスの黄金列車との関連

といった点をじっくり解説していきます。

メインのお宝である「ダイヤル」の元ネタはこちら↓


\当サイトではリンク広告を利用しています。広告の閲覧もありがとうございます!/

ロンギヌスの槍とは?

まずは、ロンギヌスの槍そのものについて簡単におさらいしましょう。

キリスト教の福音書によれば、イエス・キリストが十字架上で絶命した際、その脇腹をローマ兵が槍で刺したと記録されています。

この兵士の名前が「ロンギヌス」であり、彼の使った槍こそが、後に「聖槍(Holy Lance)」あるいは「ロンギヌスの槍」と呼ばれるようになったのです。

この槍には、「神の力が宿っている」「持ち主は世界を征服する力を得る」といった伝説がつきまとい、歴史を通して数々の王や独裁者が興味を示してきました。


ロンギヌスの槍の“本物”はどこにある?

ここが最も興味深い点ですが、実は「これが本物だ」とされるロンギヌスの槍は、世界に複数存在します。

候補として知られているものを見てみましょう。


◉ ウィーン(ホーフブルク宮殿)所蔵の「聖槍」

  • 最も有名で、「神聖ローマ皇帝の帝権の象徴」として使用されたもの。
  • オットー大帝や神聖ローマ皇帝たちが所有。
  • ナポレオンも興味を示す。
  • かのアドルフ・ヒトラーもこの槍に執着していたとされ、1938年のオーストリア併合後、ナチスの手に渡りました。
  • 👉 現在はオーストリア・ウィーンのホーフブルク宮殿の宝物館に展示されています。

◉ バチカン(サン・ピエトロ大聖堂)

  • 別の断片として、バチカンにも「ロンギヌスの槍の一部」とされる遺物が保管されています。
  • 中世の文献にはその存在が記されており、断片であるという点が特徴。

◉ アルメニアのエチャミアジン大聖堂

  • アルメニア教会が長年にわたって保管してきた槍。
  • 構造が非常にシンプルで、他の装飾的な槍とは異なるため、むしろ初期キリスト教時代に近いものではないかと見る研究者もいます。

◉ その他の候補

  • ポーランドのクラクフ(ヴァヴェル城):ここには歴史的なレプリカが所蔵されている。
  • フランスやチェコにも似た槍が伝えられているが、信頼性はやや低め。

一番古いロンギヌスの槍はどれ?

「最も古いものこそ、本物に近いといえるかも?」という視点から代位表的なロンギヌスの槍を比較検証していきます。

🔍 3つの「本物」候補を比較!

項目アルメニア(エチミアジン大聖堂)バチカン(ローマ)ウィーン(ホーフブルク宮殿)
伝承の起源使徒タデウスが1世紀に持ち帰ったとされる口伝あり4〜6世紀の教父文献に登場9世紀に神聖ローマ皇帝の所有物として伝承開始
文献への登場明確な記録は13世紀以降教会史家らによる6世紀の記述あり10世紀、オットー1世の戴冠式で使用された記録あり
現物の保存状況シンプルな槍頭が保存されている断片があるが非公開槍頭が完全に残存、装飾・構造も確認可能
文献との一致性記述が乏しく整合性は不明記録と現物の関連が曖昧文献記述と現物の構造が高い精度で一致
科学的分析ほとんど行われていない非公開のため不明材質分析で7〜8世紀製と判明(=1世紀ではない)

🧭 どう見るかによって「本物」は違う?

🔸 古さ・口伝の深さでいえば、アルメニアが最古級です。

ただし、記録が後世にしか登場しない点と、現物の科学的分析が不足している点がネックです。

🔸 文献伝承の信頼性では、バチカンが最古。

早くから「ローマに槍がある」という記録が出現しますが、現物が断片的かつ非公開のため、検証が困難です。

🔸 現物の形状・構造と文献が一致し、科学的検証もあるのはウィーン。

中世初期には神聖ローマ帝国の象徴とされており、最も「視認できる歴史性」があると言えるでしょう。


🧪 ウィーンの槍は科学的に分析済み

ウィーンのホーフブルク宮殿に保管されている「聖槍」は、20世紀後半に科学的な材質分析が行われました。

その結果――

🔬 この槍の金属部分は1世紀のローマ時代のものではなく、7〜8世紀の製造と判断されました。

つまり、イエス・キリストが処刑された紀元1世紀の槍ではないというのが、現代科学による結論です。
とはいえ、この槍が長年にわたり神聖ローマ皇帝の象徴とされ、信仰と政治の中枢で扱われてきた事実に変わりはありません。


ロンギヌスの槍のレプリカは実在する

映画『運命のダイヤル』では、敵方の研究者であるユルゲン・フォラーが、冒頭に登場する槍が合金であることに気づき、レプリカであることを見抜くシーンがあります。

これはまさに、現実世界でも「レプリカの槍」が歴史上に存在していたことを反映している描写です。

たとえば:

  • オットー3世(神聖ローマ皇帝)が作らせたとされるレプリカが記録に残っています。
  • ポーランド・ヴァヴェル城の宝物庫には、明確にレプリカとされた槍が保管されています。

つまり、「象徴としての聖遺物」としての槍が各地で作られ、政治的・宗教的シンボルとして使われてきたという事実があります。


宝物を積んだ列車の元ネタは「ナチスの黄金列車」

映画の中で、ロンギヌスの槍が積まれていた列車は、ナチスが終戦間際に隠したとされる「ナチスの黄金列車」をモチーフにしています。

この伝説は、第二次世界大戦末期にポーランド南西部の地下に財宝を積んだ列車が隠されたというもので、今なお「未発見」とされています。

ヒトラーやナチスが「聖槍」にこだわっていたという話もあり、

  • オカルティズムと結びつけた歴史的推測
  • 芸術品や宗教遺物を略奪・収集していた史実

がこの伝説の背景にあるのです。

映画『運命のダイヤル』は、この「ナチス+聖槍+財宝列車」の要素をうまくミックスしたストーリー展開になっており、史実をもとにしたフィクションとして非常に巧妙です。


まとめ:ロンギヌスの槍、本物はどこに?

最後に今回のポイントを整理します。

✅ ロンギヌスの槍とは?

  • キリストの脇腹を刺したとされる聖遺物
  • 「聖槍」とも呼ばれ、神秘的な力を持つとされた

✅ 本物とされる槍の候補は複数存在

  • ウィーン(ホーフブルク宮殿) – 神聖ローマ帝国の象徴。最も有名
  • バチカン – 槍の断片を所蔵
  • アルメニア(エチャミアジン大聖堂) – 伝承が非常に古く、最古級とされる

✅ レプリカも歴史的に実在

  • オットー3世が製作したとされる記録あり
  • ポーランド・ヴァヴェル城などに保存されている

✅ ナチスの黄金列車との関係

  • 映画では宝物を積んだ列車が登場
  • モデルは「ナチスの黄金列車」伝説
  • 現実にも発掘調査が行われたが、列車は未発見

✅ 科学的には?

  • いずれの槍も「キリストが刺された槍」としての証明はされていない
  • ただし、宗教的・文化的には今も重要な聖遺物

もしあなたが実物を見てみたいなら、ウィーンのホーフブルク宮殿宝物館を訪れてみるのがおすすめです。
また、アルメニアやバチカンにも違ったかたちの「聖槍」があるため、信仰・歴史・伝説が交錯する奥深い世界を感じることができるでしょう。

神話と現実が混じりあう聖遺物のロマンは、これからも人々を惹きつけてやみません。

\当サイトではリンク広告を利用しています。広告の閲覧もありがとうございます!/
映画元ネタ