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中世から近世になってくると、磁力の発見により、ずっと力を備えているもの(永久磁石)の存在が明らかとなった。当然、この性質を利用してこれらを永久機関に使おうとする活動が見られた。永久磁石はその性質から、車輪や水をつかうものよりは永久機関との相性がよく実現の可能性が高いと思われたが、作られたモデルはどれも動くことはなかった。
中世では、将来的に永久磁石から永久運動が実現されうるのではないか、という楽観的な予想がいくつか見られる。
1269年に、ペレグリヌスは「磁気書簡」という書物を著している。ここでは、磁石を使った発明品が羅針盤などを含めて多数掲載されている。
そこに描かれた永久機関は、磁石に反応する歯の付いた車輪のようなもので、磁石をつかったモデルのうち最古のものである。
これの詳しい動作はよく判明してはいないが、時計の針のような部分の先に磁石がついており、磁石の吸引力と反発力を使って、ぎざぎざ部分を針のようなパーツで回転させていくものと推測されている。いずれにせよ、作っても動くことはないであろう。
1570:テニエ、磁石と斜面の機関・・・下図参照、坂道の上に磁石があり、鉄のボールが吸い寄せられる。そのあと、穴からしたの斜面におちてもとにもどる。これも、一定以上近づいたら穴に落ちずに磁石にくっつくはずなので、永久機関にはならない。
1799:ステファン、磁石で重りが動く車輪・・・これは、非平衡車輪と磁石の働きを組み合わせたもので、磁石が引っ張られると車輪のモーメントの平衡が崩れ、回転する。回転すると新しい磁石が降りてくる・・・というサイクルでrが、これも動くことはない。
1818頃:スペンス、磁力を妨げる物質を見つけたと主張し、それによる永久機関を製作したと発表。このころには科学者による調査が行われる時代であり、物理学者のブリュースターがこの機械を見て、好意的なコメントを寄せるという事件が起こった。不正を見抜けなかったのか、はたまたお人好しだったのか?
21世紀の今日になっても、永久磁石のずっと力を秘めている様子をみて、これらをつかった永久機関を試みようとする人は後を絶たない。