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大気や地球からエネルギーを供給することで、ずっと動き続ける機関を作ろうとする試みは実際にあった。これは荒唐無稽とは言い切れず、原理的には可能な現象が存在する。これをつかった時計を解説する。しかし、いかさまも多く現れた。
19世紀半ばにアレクサンダー・ベイン(1811~1877)は、地面の微小な電流(地電流)のみを動力源とした時計をたくさんつくった。
1843:最初の時計が作られる。
1860年代にかけて、同じ原理の他の時計が作られる。しだいに、装飾にもこったようなモデルを作るようになった。
実際にイギリスの教会に取り付けられ、時計として利用されていた。
ベインの永久機関は、地電流という、大地に流れる微小な電流を電池代わりにして駆動している。大きな機会を動かすには微小すぎるが、時計くらいならば電池を直列すれば十分に動かせる。電極を地面に突き刺して、これらを複数つなげて十分な電力をえる。
地面を流れる微小な電流である。原理としては太陽の影響による地磁気の変動に伴う電磁誘導である。 1m離れた2つの地点間の電位差は0.2V~1,000V相当といわれている。
これは研究などでつねに計測されており、地震の予知に使われることもある。
やや時代が下ったあと、P・A・ベントリーによる改良がおこなわれた。ベインの地電流を使った時計の欠点は、地電流の不安定さによって一定の間隔で時計を刻ませることが困難だったことであった。ベントリーは、この欠点を克服すべく一定のリズムを刻む改良を施し、精度の高い時計を完成させた。
ただし、この原理は一定時間を過ぎたら電極を取り替える必要があり、永久機関とはいえない。
ラス・パルマスの聖アウグスティヌス大学のフィゲーラという人物が、大気から電力を取り出すことに成功したとのニュースがデイリー・メールによって伝えられている。
これは、フィゲーラという人物が長年研究した、空気中から550ボルトもの電力を取り出す発電機についてで、町中の施設に利用できると主張している。彼はこれを自宅の照明と、20馬力ものモーターを動かすことに利用していると伝えられている。
近々実物と備品を持ってロンドンにやってくると伝えられたそうだが、結局、彼が登場することはなかった。
ラス・パルマスの聖アウグスティヌス大学、というのは実在しないようである。ラス・パルマスは実在するスペインの島であり、後者の大学も実際にアメリカに存在するが、両方が同じ土地にはないので、この記事は記者が適当に書いた飛ばし記事、という可能性が高そうである。