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人類の歴史において、機械の定義がさまざま策定されている。その代表的なものをまとめた。なお、ルーローの定義が有名である。大学などでは、彼の定義を箇条書きであらわし、以下のように定義することが多い。
機械とは、以下を満たすものである。
機械の定義
・剛体で構成されている
・剛体が相対的に運動する
・エネルギーを受けて有用な仕事をする
機械の探求は、古代中国からはじまった。
紀元前3世紀:韓非子の定義
力の少なきを用いて功大をなす
韓非子
前1世紀:ウィトルウィウスの定義
マキナというものは木材の組み合わせで、重いものを動かす
ウィトルウィウス
18世紀:ロイポルトの定義
人工制作物であり、その助けを借りて運動を起こすことができる
ロイポルト
ロイポルトは「機械の劇場」という本を書いてさまざまな機械の紹介をしている。その中にはのちの時代に登場するようなものもある。
アンペールの定義
与えられた運動の方向と速度を変える装置
アンペール
マルクスの定義
機械は本質的に異なった3つの部類からなる。すなわち、動力機、伝動機、作業機である。
マルクス
この時代には人間の手を借りなくても機械がものづくりをするという時代が一部で到来しつつあり、ラッダイト運動なども起きていた。そのあたりをふまえた考察ともとらえられる。
19世紀:ルーローの定義
外力に抵抗しうる物体で構成され、組み合わされて相対運動をおこない、エネルギーを受けて有用な仕事をする
ルーロー
ルーローの定義が今日の機械の一般的な定義と同一のものである。
・ウィトルウィウスは機関(オルガノン)を異なるものとして定義しており、「(機械は多くの人手が必要だが)機関は一人の人間の賢い手によって目的を達する」といっている。
・20世紀には算術を解くマシンとしてのチューリング・マシンが考え出されたが、これは工学的な意味での機械とは別ととらえられている。ただし、概念としての「抽象機械」というジャンルを開拓するに至った。
・機械の定義の共通点
部品で構成されている、という点がかなり共通している点といえる。ゆえに、ただのシャベルなどは、道具とは言えても、機械とは言わない、ということができる。
・定義のなされた場所
中国ではじめに定義が出たのは、やはり中国の工学レベルが古くは高かったことを示す。その後は、ヨーロッパの工学発展にともない、ヨーロッパの人に定義されている。