拷問や処刑に使われた器具のうち、異端審問や魔女狩りに使われたものをまとめた。基本的には、間違った信仰を自白させるもの、考えを曲げなかった異端者を処刑するものの2つの種類に分かれる。
異端審問
キリスト教の異端者に対して、改宗を迫るときなどに使われた。もっとも、強制的に回収させるのは本当に信仰心があるといえるのかは疑問である。
審問椅子
椅子にトゲが無数に設置されている。これに異端者を座らせて、審問をおこなう。拷問のなかで手足を殴られたり、松明などで熱したりして、さらなる激痛が加えられた。
多いものでは、椅子にあるトゲは1300本もあった。
これは見た目で心理的なダメージをあたえるには十分であるが、実際には座ってみると圧力がトゲによって分散され、予想されるほど痛くはないという。
ドイツでは19世紀まで使われた。イギリスなどでは、19世紀末期まで使われた。
異端者のフォーク
両端に鋭い二股のフォークがついており、真ん中にベルトがある。これを顎と胸骨に射すように首にベルトで固定し、苦痛をあたえる。
装着者には「アビウロ」、としゃべることだけが許された。これは「我、撤回す」という意味で、異端の信仰をやめるという宣言である。
急所には刺さらないので、徐々に苦痛が増した。当然、眠ることもできない。
これでも撤回しないと背教者とされ火あぶりである。
クエマドロ
レンガでできた窯のなかに異端者をいれて、ゆっくりと火で燻す、という火あぶりに近い処刑方法である。ながく苦痛を与えながら最終的には死刑となる。
魔女狩り
魔女狩りでも、異端審問と似たような拷問が与えられた。
溺死刑
魔女狩りにおける溺死刑は審判でもあった。
魔女であれば、縛ったうえで水に落とすと水は不純な者を弾くので、魔女であることが確定し、火あぶりである。魔女でなければ、溺死するので無罪であるこたが証明された。したがって、どちらにしても死が待っている。
樽にいれたり、鉢にかおをつけさせることもあった。変わったやり方だと猫と一緒に袋にいれて、溺れさせることもあった。
魔女の天秤
これは実際には使われなかったようである。仕組みとしては、人が乗るサイズの器を持つ大きなはかりで、魔女と普通の人とでは重さが異なるので魔女かどうかわかる、というものだったらしい。現在では、観光名所になっており、見物人が訪れる。
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