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19世紀~20世紀初頭までのアメリカでの「永久機関への熱狂」の一つである。この計画を立案したのは、ガラベド・ギラゴシアン(ジラゴシアン)という男で、議会をも巻き込んだ騒動に発展した。永久機関ができたと勘違いしてしまったというのがオチであった。詐欺事件とは異なるが、結局はこの計画への熱狂は裏切られた形で終わったといえる。
1917:ギラゴシアン、自由エネルギーの発見したと発表
1918:議会に働きかけ、計画の実行を準備させようとした
1918: 下院、特別法案を通過、ガラベド委員会が設立
1918年8月:委員会の報告。単なるはずみ車であることが判明。
1918:ギラゴシアン、実験をし、出力を記録する・・・初めに入れた小さな力に対して、止めた瞬間には重りを持ち上げることができたので、その分の力が機関によって作り出されたと解釈した。
この現象がエネルギーの生成ではなく、単なる勘違いであることは明白で、この装置が永久機関ではないことはすぐに民衆の理解することとなった。
そして、ガラベド計画は収束した。人々にも忘れ去られた。
ギラゴシアンの永久機関の動作としては、以下のようになる。
1.小型の電気モータではずみ車を一定時間回す。
2.重りをつけると、小型モータではあげられないのに上まで上げることができる。
3.ブレーキは暴走を止めるため。
・ギラゴシアンは騙して金品をせしめようとしたわけではなく、あくまで純粋にエネルギーの生成に成功したと勘違いしてしまったらしい。その証拠に、特に高等教育を受けていたわけではなかった。
・ギラゴシアンはその後、消息がしられていない・・・。この点、レドヘッファーと同じ流れである。
・ギラゴシアンの勘違い
ギラゴシアンは、
最初、人力とモーターではずみ車を回転させて、加速させていった
↓
加速したところで重りを持ち上げさせたら、モーターでは持ち上がらない分まで持ち上がった!
というところから、その分の力が生まれたと勘違いしたのだが、これはエネルギーと仕事率をまぜこぜに考えているからおこる勘違いである。はずみ車に蓄えた仕事と、持ち上げるのに使ったエネルギーは結局、同じなのである。
・もしギラゴシアンが物理をしっていたら?
もしギラゴシアンが教育をそれなりに受けたことがあり、物理の法則を少しでも知っていたなら、このような勘違いはそもそもしなかったと考えられる。この公開実験で失敗した彼が、その後アメリカのどこかで勉強したのかもしれないが、その場合、自分の勘違いに赤面したかもしれない。