今回も永久時計に関するテーマを解説していきます!電池もなく、人間がネジを巻くことなしにずっと動き続ける…そんな”ほぼ”永久的に動く夢のような時計が実際に販売されているってご存じでしたか?
その名も――
🕰️ アトモスクロック(ATMOS CLOCK)
この時計、なんと温度の変化だけで自動的にゼンマイが巻かれて動くというスグレモノ。まるで魔法!…ではなく、れっきとした物理現象を利用しているんです。今回はそんなロマンとテクノロジーの塊「アトモスクロック」について、仕組みから歴史までわかりやすく解説していきます!
🌡️ アトモスクロックとは? – ほぼ永久に動き続ける不思議時計!
アトモスクロック(アトモス時計)とは、わずかな温度変化でゼンマイを巻き上げて動作し続ける機械式時計。外部からの電池交換も手巻きも不要。部屋の中の自然な温度変化で、ず〜〜っと動き続けるのです。
しかもこのアトモス、高級時計ブランド「ジャガー・ルクルト(Jaeger-LeCoultre)」が製造・販売しており、れっきとした現行製品。つまり、なんと誰でも買えるんです!お金があれば…(お値段はお察しください💸)。
もちろん公式サイトもあります。日本語のアトモスクロック公式サイトもあるので、一見の価値ありです。
🧪 仕組みがスゴイ!アトモスクロックの「温度エンジン」
さて、「温度でゼンマイが巻かれるってどういうこと?」と思った方も多いはず。ここがアトモスクロックの真骨頂!
アトモスの中には「ベローズ(蛇腹状の容器)」があり、その中にはエチルクロリド(塩化エチル)という揮発性の液体と気体が入っています。
この物質は、温度によって膨張・収縮しやすいという特徴があります。
蛇腹状の部品は、文字盤の後ろに設置されているのが確認できます。
🔁 温度変化でこう動く!
- 室温が上がると、エチルクロリドが蒸発してベローズが膨張。
- この動きでゼンマイを圧縮!
- 室温が下がると、ガスが凝縮してベローズが収縮。
- この動きでゼンマイが巻き上がる!
なんと、わずか1℃の温度変化で、アトモス時計は約2〜4日間も動作に必要なエネルギーを得られると言われています。最近のモデル「アトモス540」では、1℃あたり4.3日も!すごくないですか!?
これだけで、電池もモーターも使わずに、ずーっと正確に時を刻み続けるんです。
📜 アトモスクロックの歴史 – そのルーツは1928年!
この超ハイテク(に見える)アトモスクロック、実は1928年にスイスの技術者ジャン=レオン・ルターによって発明されました。
🎩 初代「アトモス0」
彼が作った最初の試作品は、水銀を使ったガラス管装置で動く、温度差駆動の時計。まだ「アトモス」という名前すらなかったこのモデルは、のちに「アトモス0」と呼ばれるようになります。
🇫🇷 アトモス1 – 世界初の市販モデル!
1929年、フランスの「CGR(ラジオ社)」がアトモス1を商業化!このモデルは水銀とアンモニアを動力源として使っていました。いよいよ夢の永久時計が世に出た瞬間です✨
🇨🇭 ジャガー・ルクルトが参入!
1935年、スイスの名門「ジャガー・ルクルト」がアトモスの製造を引き継ぎ、塩化エチルを動力源にしたアトモス2を開発。これが現在のアトモスの祖先にあたります。
本格的な生産開始が1939年以降になされることになります。その後改良を重ね、今やアトモスは50万台以上が生産されたロングセラーとなっています。
歴史の長いこのシリーズ、単に時計というよりは…
🏛️「温度差エンジンを搭載した動く美術品」+「機械式工芸の極み」+「ブランド価値」
…みたいな存在なんです。
特に製造しているジャガー・ルクルト(Jaeger-LeCoultre)は、スイスの超名門高級時計メーカーですし、職人が一台ずつ手作りしてるので、大量生産できない=値段が下がらないんですよね。
💡 アトモスクロック=永久機関…なの?
さて、気になるのはこの質問👇
「これって実質、永久機関じゃないの!?」
結論としては――
🟨 ほぼ永久機関的だけど、物理法則にはちゃんと従ってる!
アトモス時計は周囲の温度変化という外部エネルギーを使って動いています。つまり、エネルギー保存の法則も、熱力学第二法則も破っていません。
でも、電池もコンセントも使わず、自然環境の変化だけで半永久的に動く。これを永久機関と呼ばずに何と呼ぶ!?(※法的には呼びません笑)
🎁 まとめ:アトモスクロックの魅力と豆知識
最後に、アトモス時計のポイントをギュッとまとめておきます🔍
✅ アトモス時計まとめ
- 🌡️ 温度変化だけでゼンマイが自動巻きされる、画期的な機械式時計!
- 🔧 核心技術は「ベローズ内の塩化エチルの膨張・収縮」!
- 📈 わずか1℃の温度差で数日分のエネルギーを供給可能!
- 📜 歴史は1928年から。スイス発→フランス→スイスに戻り、今なお現役!
- 💰 現在もジャガー・ルクルトが製造中。実際に購入可能(高いけど…!)
- 🧠 科学的には「永久機関」ではないが、体感的にはほぼそれ!
「永久機関ってロマンだよね〜」と思っているそこのあなた。アトモス時計は、そんなロマンを現実にしてくれるアイテムの一つです。高級品ではあるけれど、家に一台あったら絶対テンション上がりますよね。
機械式時計ファン、物理好き、インテリアマニア、すべての好奇心旺盛な人たちへ…
アトモス時計、めちゃくちゃおすすめです⌛✨
ちなみに気になるお値段は、安いものでも100万円以上します。300万とかもザラです。永久機関への道は(金銭的にも)厳しいのだ・・・。