映画『ブレードランナー』には、印象的な場面で日本語が多く登場します。ここでは、ブレードランナーに出てくる日本語の看板やセリフなどを一気に紹介していきます。
ブレードランナーになぜ日本語が多く登場する?
ブレードランナーに日本語が多く登場する理由は、リドリー・スコット監督の来日経験にあるといわれています。
スコット監督が来日した際に、東京の新宿歌舞伎町の景観にインスピレーションを受け、それがブレードランナー内の風景描写に採用されたというのが有名な経緯です。
ほかには香港の景観もモデルになっていることが知られています。
ブレードランナーの日本語まとめ!
ブレードランナーに登場する日本語を抜き出してみると、以下のように列挙することができます。
以下は基本的にファイナル・カット版をもとに解説していきます。
ブレードランナーに出てくる日本語まとめ:看板・映像編
ブレードランナーでは、看板やネオンサインの日本語がかなり目を引きます。
『基礎の充実の上に』などのネオンサイン
おそらくここに出てくる日本語の並びが一番日本語が目立っているヴィジュアルでしょう。

ネオンサインにたくさんの日本語(ひらがな、カタカナ、漢字)を見つけることができます。
「カクテル」
「基礎の充実の上に」
「お手持ちの烏口」
「人造卫星」
「おいしい料理」
などが読めます。
看板にかかれている日本語は日本人からすれば珍妙な文章ともとれるのですが、それがまたアジア系の雑多な風情を醸し出しています。
。ゴルフ月品
空中から見下ろすようなカットで看板にかかれているのが見えます。
おそらくは「ゴルフ用品」と書きたかったのだろうと思われます。
日本語の文章の文頭には置くことのない「。」がいい味をだしています。
強力わかもと
この風景はブレードランナーを象徴する風景としてもっとも有名ですね。
ビルの壁面の巨大広告に実際に存在する強力わかもとのコマーシャルが流れます。
ブレードランナーに出てくる日本語まとめ:セリフ・音声編
セリフやガヤなどの音声でも日本語が聞こえてきます。日本人だとすぐに聞き分けることができます。
店主との会話の日本語
主人公デッカードが登場するシーンのすぐ後の店主との会話のシーンは有名です。
なおこの店主を演じているのはロバート・オカザキという日系人の俳優です。
「いらっしゃい、いらっしゃい。さあ、どうぞ、何にしましょうか」
「二つで十分ですよ」
「わかってくださいよ」
最後の店主のセリフは「まかしてくださいよ」と言っているという説もあります。
ガフのセリフ
登場人物の一人、ガフは様々な言語が入り混じるセリフを放しますが、その中にデッカードを連れていく際のセリフで
「キャプテンブライアントとか、めにおまえよ」
と聞こえるセリフがあります。
これは「キャプテンブライアントが、目にお前を」という風な文章で、「ブライアント所長がお前に会いたがっている」という意味になるようです。
「~とか」は、複数形にしか使わないので面白い言い回しになっています。
警察のビルに到着する時の日本語
スピナーが離陸するあたりで「最終接近」と言っているのが聞こえます。
また、スピナーのボディには「警察」と書かれている(ペイント?)のがわかります。
吟詠(日本語の歌)”扇の的”
BGMとして、日本の吟詠が登場します。
これは何の曲なのかも判明しており、『扇の的』ということがわかっています。扇の的はyoutubeで聞くことが可能です。
この吟詠をよく聞いてみると「♪入り陽傾く(いりひかたむく)~」と聞き取れる部分があります。
雑踏の日本語のガヤ
雑踏の中では、日本語のガヤが聞こえます。
不明瞭な部分は多いですが、
「なんか変なもの、残してったで」
「なんじゃこれ?」
などの声が男の声で聞こえます。
まとめ
- 映画『ブレードランナー』には、日本語の図版や音声がたくさん登場する。
- これはリドリースコット監督が来日した際に歌舞伎町の景観に影響を受けたことが元ネタ。
- 図版としてはネオンサインの日本語が目を引く。
- 音声としては寿司バーの店主との日本語での会話がはっきりと聞き取れる。
日本語がどこに出てくるかを探しながら映画を見るのも、日本語ネイティブ特有の面白い見方です。