占星術が死んだ日-天文学、生物学、医学

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占星術、つまり星の動きによって人物や国の運命の変化を当てる、という発想は、科学技術の進歩によって次第に支持を失っていった。星によって、健康状態を知ったり、天候を知ったりするのも同様である。決定的だったのはやはり天文学と数学が結びついた点である。ケプラーの法則が特に著名である。

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年表

13世紀頃:天文学=アストロノミア、語の成立

14世紀頃:サンヴィクトールのユゴ、天文学と占星術の区別

1494:ピーコデッラミランドラ 「予言占星術駁論」著される。占星術への批判、起こることを星によって予言はできない

16世紀:フランスベーコン、自然学的根拠の必要性、「健全な占星術」で干ばつなどを予測しようと提案・・・これは天気予報の発想として初期のものである。

16世紀:ガサンティ、星は物事の原因ではないと主張

1662:ジャンモラン、「ガッリア占星術」を著す。これは占星術最後期の書物であった。

17世紀:ケプラー、ケプラーの法則、天体の数学的法則・・・天体にはそれ特有の数学的法則があり、地上の動きとなんら関係がない。

このケプラーの法則が決定的となり、単に数学的な法則にしたがって星が動いているのみということが判明し、占星術は下火になっていった。

現代に生き残った占星術

占星術じたいは否定されたが、天文学、天気予報のような部分は成果として生き残った。この点では錬金術が化学の発展につながったのと同じである。

ただし、占星術のめずらしいところは、実際に現在でも星占いじたいはそういったサービスが存在し、一定の支持を得ている点である。ただし、占いの精度や信憑性には根拠が不明確で結果のばらつきは避けられない。

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考察

占星術は特定の法則によって否定されたというよりは、以下の進歩によって徐々に居場所を失っていった。
・医学の発展
・人体の解明
・天文学の発展
医学は、天体によって健康状態を左右できないことを徐々に明らかにしたし、人体の構成用が星とは関係ないことも明らかになった。極めつけに天体の動きが数学で予測できてしまうことは人間の運勢は星の影響を受けないことを突きつけるものである。

・占星術はほろんだのか?
占星術は学問としてはすたれたものの、「占い」の一形態としては生き残った。今日でも、星と関連付けた占いの書物などは多数発行されている。この点は、永久機関や錬金術とことなり、一応過去の形を変えず生き残っているという点で、着目すべき点である。

・占星術ののこしたもの
占星術はこうして学問としての姿を消したが、天文学や天気予報などに貢献したといえる。天体を観測するための観測装置は占星術の貢献といえる。また、暦の制作にも役に立った。