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電子工作の題材としても知られる浮遊物体イオンクラフト(リフター)。その歴史を解説する。イオンクラフトにネズミを乗せた実験は存在するので、そこから人が乗る場合に必要な数値を計算することはできなくはない。
三角形の骨組みに、上に細い電線をはり、下に金属の帯を貼る。両方に電圧をかけると浮き上がる。電圧は数100ボルト、電力は10Wくらいいるのが相場。
高電圧により空気中にイオンが発生し、このイオンが下向きに打ち出される。これが空気中の分子と衝突し、その反作用で浮く。よって、近づけすぎると下の電線にぶつかってしまい飛べない。ぎゃくに離しすぎるとイオンが発生しないので飛べない。ちょうど良い距離が必要である。
20世紀前半:トーマス・タウンゼント・ブラウン、イオンクラフトの研究に取り組む。かれは、これが反重力効果であるという誤った認識をしていた。
1959年:アレクサンダー・プロコフィエフデセバスキー少佐によって研究され、「イオノクラフト」の名前で特許出願する。
2002年:イオンクラフトの研究に米国議会が資金をだす。
2008年頃:日本の大学で三角形を組み合わせて面積を広くしたモデルが作られる。・・・小型のモデルより大きなもの。これも浮くが、電源は外部で、荷物、人などは乗せていない。
2013年:180gのネズミをのせて浮遊させることができた。ネズミをのせて浮遊させるのに必要な電力は350Wだった。
人が乗るには、2通りの計算方法が考えられる。
電力を重さの分だけ比例させればよいと考える。日本人の平均体重を60kg、電源などで30㎏とすると
350×(90000/180)=175000W=17.5kW
となり、大型の発電機を使えば飛ぶかもしれない。
三角形一つで180gが浮くので、これを2つくっつけると単純に360gを乗せられる・・・と考える。これを増やしていくと考える。
180g×500=90000g=90㎏(60㎏の人+電源など)
となり、500個敷き詰めれば浮くかもしれない。