ゴールラインテクノロジーとは、サッカーの試合でゴールしたかどうかがわかりにくい時に、電子的な仕組みで判定する技術です。この仕組みや歴史を解説します。また、これには問題点も指摘されています。これについても解説します。
ゴールラインテクノロジーの仕組み
ゴールラインテクノロジーの仕組みとしては、以下の2通りの仕組みが代表的です。カメラを使うものと、磁場を使う方法があります。
複数のカメラを使う手法
一つの仕組みは、いくつかのカメラをつかって検証するものです。
様々な角度から撮影することで、三角測量の原理でゴール内に入ったかどうかを測定して判定することができます。
また、カメラをゴールポストに取り付け、真下に向けることでゴールラインを超えたかどうかが判定できます。
カメラを使った手法では、審判に確認映像を提供するということも可能になります。
磁場センサーを使う手法
もう一つの仕組みは、導線の形成する磁場とボールについたセンサーを使う方法です。
ゴールラインとゴールポストに導線をマイクと、磁場を形成することができます。
この磁場の中をボールについたセンサーが通り抜けると、磁場の変化によってゴールしたかどうかを判定できるというものです。
ちなみにセンサーは充電が必要であり、無線充電で行えるボールもあるようです。
ゴールした場合は判定結果が審判のつけている受信機に送られます。
ゴールラインテクノロジーの歴史
ゴールラインテクノロジーの歴史は、2010年前後にさかのぼります。
このあたりの時期には、ゴールラインテクノロジーを導入するかどうかが議論されていた段階でした。
2010年のワールドカップで、疑惑の判定が起こってしまったことにより、導入の機運が高まりました。
そのゴールはドイツVSイングランド戦の以下の場面です。
導入のテストとしては、いくつかの手法が試された後、磁場を使うものとカメラを使うものがそれぞれ採用されました。
ゴールラインテクノロジーの問題点
問題点としては、以下のような点が挙げられています。
技術自体の問題
技術自体にも、判定結果を誤るような危険が0ではありません。
カメラを使ったものでは、運悪くすべてのカメラの死角に入ってしまうようなシチュエーションでは、正しく判定することができません。
磁場を使うものでは、ボール内のセンサーが壊れてしまっていたりすれば、正しく判定することができません。
実際に2010年代後半の試合では、ゴールラインテクノロジーの失敗によってシステムの利用を取りやめた事例があります。
費用の問題
ゴールラインテクノロジーは導入するのにおよそ26万ドル前後も費用が必要になります。これは日本円に直せば、およそ2600万円ということになります。
このほかにも、1ゲームごとに追加で費用が取られるものあるので、結構値が張るということがわかります。
ゴールラインテクノロジーは必須ではないこともあり、すべての競技場で導入されているわけではないのが現状です。
まとめ
- ゴールラインテクノロジーは、カメラを使うものと磁場を使う仕組みのものが存在する。
- 2010年代にテストが開始され、2020年前後にはだいぶ普及するようになった。
- 問題点として、判定制度の問題や、費用の問題があげられている。
ワールドカップでもゴールラインテクノロジーの活躍に期待です。