パウリ効果とは、著名な物理学者であるヴォルフガング・パウリが触れると機械がすぐ壊れたというエピソードに基づく現象名またはジョークです。ここでは、パウリ効果の一覧をまとめてみていきます。
パウリ効果とは
パウリ効果とは、パウリの排他原理などで知られる量子物理学者のヴォルフガング・パウリにちなんだ一連の謎の現象と派生したジョークのことを言います。
その現象とは、『パウリがそばに来るだけで実験装置が壊れてしまった』という現象です。
1回2回なら偶然で済みそうですが、これがパウリの周囲で頻繁に起こり、被害も甚大だったので、この名前が付きました。
ここから派生して、誰かがそばに来ると機械がすぐに壊れてしまうことを『パウリ効果』または『パウリの装置の法則』と呼ぶようになりました。
ただ正直パウリ以外ではこうした逸話やエピソードを持っている人は少ないです。
なお、パウリ効果という物理法則があるわけではないのでそこは気軽に構えてもらって大丈夫です。
パウリ効果のエピソード一覧まとめ
ここからは、パウリ効果のエピソード・逸話を一覧をまとめていきます。
高価な測定装置がパウリ効果で壊れる
機械が壊れた系で有名なパウリ効果は、パウリの研究室があったゲッティンゲン大学のエピソードが有名です。
ある時、高価な測定機械を使って実験をしていたら、理由なく装置が故障したというものです。
この時、正確にはパウリはチューリヒにいたという話ですが、装置が壊れたのとちょうど同じとき、ゲッティンゲン駅で乗り換えをしていた、ということだそうで、パウリ効果の一例として有名になりました。
遠隔でも効果があるパウリ効果、怖すぎです。
ちなみに測定装置が壊れてしまったという形のパウリ効果は、このほかにも結構あるようです。
新婚旅行中に車が壊れる
1934年、パウリは2番目の妻との新婚旅行をしていました。
しかし、この時乗っていた車が、特に事故などの要因がないまま故障しました。
プライベートの時間まで影響を及ぼすパウリ効果、恐るべしです。
式典で花瓶が壊れる
実験中ではなく式典中に起こったパウリ効果もあります。
パウリは1948年にチューリッヒで行われた研究所の設立記念式典にゲストとして参加していました。
ところがこの時、パウリが入場したところ、陶器の花瓶が何の理由もなく床に落ちた、という現象が起こります。
これは目撃者も多かったパウリ効果なのではないでしょうか。
パウリ効果で火災が起きる
パウリ効果で火災が起きたこともあります。
1950年に、パウリはプリンストン大学で研究をしていました。
この大学ではシンクロトロンの研究が行われていましたが、ある時、シンクロトロンが燃えて火災が起きました。
パウリはこれも自分のせいかと考えたようです。
パウリ効果のほかの研究者の反応
オットー・シュテルンは、実験装置にパウリ効果が起こることを恐れて、ハンブルクにある自分の実験室にパウリを入れることを拒否したという逸話があります。
どこまで本気なのかはわかりませんがパウリ効果が当時から物理学者の間で知られていたことがわかります。
パウリ自身は心理学者のユングなどに書簡でこのパウリ効果について話をしています。
パウリ本人は、深層心理学とのつながりを感じていたようです。
まとめ
- パウリ効果とは、物理学者パウリが実験装置に近づくと、その装置が壊れることが頻発したという現象に対する名前であり、一種のジョークでもある。
- 測定装置のほか、車も故障したり、火災が起きたりした。
- パウリを部屋に入れないなどの対応がとられることもあった。
現代にパウリが生きていたらパソコンがフリーズしまくったりしたのでしょうか。それはそれで研究に支障が出そうです。