夢で見た内容を記録につける夢日記には、危ない、危険、精神が狂うなどの噂が付きまとっています。この話のソースはどこなのでしょうか?また、本当にそうなのでしょうか。ここでは、理由10個をまとめてみました。
そもそも夢日記が危ないというソース(出典)はどこなのか
そもそもの発端である夢日記が危険であるというソースはどこなのでしょうか。
これは確かに存在し、たどれる限り時期を限定して検索をかけると出てくるネット上のスレッドがソース(出典)であると予想されます。
スレッドが建てられたのが2012年で、そのタイトルは「友達が夢日記をつけ始めてからおかしくなった」というものです。
内容は夢日記を書いていた友達がおかしくなっていくというタイトル通りの内容です。
この中ではすでに、夢日記をつけると気が狂うという噂が登場しているので、2010年ごろにはすでにその噂があったらしいことがわかります。
ここからは、夢日記が危険であるという理由を10個解説していきます。
夢日記が危ないといわれ始めた理由を10個解説・考察!
ソースに関しては、上にあるようにネット掲示板でのスレッドの話が発端と考えることができます。
では、実際に本当に夢日記は危険なのか、以下のように理由を10個に分けて考察していきます。
夢と脳科学的に関する理由付け
理論的に、夢日記が危険、危ないといえるような理由付けは数個存在します。いくつかは、日記をつけるという性質から妥当と思われるようなものもあります。
悪夢が忘れられなくなる
夢に限らず、書くことによって記憶が定着しやすいということは事実としてあります。
よって、悪夢が忘れられなくなるというのは悪影響としてはありそうです。
ただ、その分面白い夢や楽しい夢も記憶に残りそうな感じはしますね。
まあそれでも、人間を含めた動物は悪い記憶のほうをよく記憶するということは言えますが。
夢が明瞭になりすぎる
夢日記をつけると夢がはっきりと明瞭になるという効果があるといわれています。
これはどういう原理なのかは調査しても見つかりませんでした。
夢を見た内容自体は書くことではっきりと思い出せるかもしれませんが、夢そのものに効果を与えて内容が明瞭になっていくのかどうかはよくわかりません。
また、これはいくつかそういう体験談があるという程度で、統計的に多くはなさそうです。
夢と現実の区別がつかなくなる
夢と現実の区別がつかなくなるというのもよく言われますが、これについてはちょっとよくわからないですね。
仮に明瞭になった場合、明瞭になると区別がつかなくなるということでしょうか。
夢を記録しているのは常に起きている側の自分なので、区別はつきそうです。
仮に夢と現実の区別がつかなくなったとすると、夢だと思って犯罪をしたら現実で、逮捕されてしまった、というようなことは起こりえますが。
不必要な自己分析による悪影響
これは夢分析とのかかわりがある理由です。
夢の分析をすると、自分が内に秘めている願望などがわかるともいわれており、夢日記は確かにこれらの分析には役に立ちます。
しかし、それが不必要だったり過度な範囲にまで行われ、その内容にこだわってしまうと、「自己分析に悪い結果が出たことによる自己嫌悪」「気にしなくてもいい要素にまで無駄に固執してしまう」というような悪影響が出るというものです。
『夢日記=危険』はフィクションの影響?
もうひとつ、この噂に影響を与えたと考えられるのがフィクションの存在です。
ホラーゲーム『ゆめにっき』
これは『ゆめにっき』という有名なゲームがホラーゲームとしてタイトルそのままで存在します。
このゲームはフリーゲームとして公開されたこと、その内容の不可思議さから、ネット上でとても人気になりました。
このホラーゲームの印象によって夢日記にも危険・怖いという印象がついてしまったと考えることはできそうです。
夢日記と予知夢の混合?『私が見た未来』
また、東日本大震災に絡めて有名になった漫画『私が見た未来』(たつき諒 作)も夢の記録が登場するため、そのオカルティックなイメージが影響していると考えることができます。
こちらはどちらかというと予知夢に分類される話ですが、表紙にかかれている6枚のノートの表紙には「ー夢日記ー夢の記録」と書かれています。
歴史上で実際に健康を損ねた人物がいるのか?
仮に、歴史上の人物で夢日記をつけたことで健康を害している人物がいるならば、夢日記は危険という噂にも実例をもとにした根拠が出てきます。
例えば、「死ぬまで夢日記を書き続けた人」として、日本の僧侶である明恵(みょうえ)がいます。
その夢日記は『夢記(ゆめのき)』とタイトルがついており、現代語訳も資料として存在します。
この場合の死ぬまでというのは、あくまで寿命が来た年までという意味で、夢日記のせいで体調を崩したわけではありません。
また、夢日記のパイオニア(?)でありながら明恵は話題にもされないので、そこまで歴史的な根拠がある噂ではなさそうです。
気になる明恵の夢日記の内容については、別の記事で詳しく解説しています。
海外では夢日記は危険どころか、高評価?!
海外では、夢日記は英訳して「Dream Diary」という名前で知られています。
この単語で危険性などを知らべてみると、日本で言われているようなことは全くと言っていいほどヒットしません。
もっと言えば、「夢日記を書くと芸術的な創造性があがる」などの論文まで存在します。
内容を要約してみると、夢日記を書いたグループと何もしないグループでは、一定期間後の創造性に関するテストのスコアについて、夢日記を書いたほうが上がった、というものです。
こうなると、海外では夢日記は危険どころか、有用性が高く高評価されている、ということまでがわかりますね。
どうやら夢日記が危険なのは日本だけの文化のようですね。この辺の違いも面白いです。
夢日記が危ないのはネットの噂が真相か
ここまで見てきたように、
- 匿名の体験談がありはするが、夢日記のせいで健康を損ねたというような話は歴史をたどっても出てこない。
- 夢日記の第一人者である明恵にまったく言及しないというのは考えられなくないか。
- 海外では夢日記に危険というイメージはない。
したがって、結論としては
夢日記が危険というのは日本のスレッドが発祥の国内限定のうわさであり、
信憑性は薄いと思われる。
ということが言えるでしょう。
実は管理人も長く夢日記を書いており、それが健康を損ねているようには全く見えないことから、この記事を書いてみることにしました。
管理人の夢日記に関しては別の記事で面白おかしく書いています。
まとめ
- 夢日記が危険、危ないという話のソース(出典)は、2012年にたてられたスレッドであると考えられる。
- 危険といわれる理由としては、悪夢が忘れられなくなる、夢分析の結果などに伴う自己嫌悪などが理論的にはあり得ると思われる。
- 歴史上では、夢日記をつけていたという人もいるが、とくに悪影響が出たという記録はない。
- 海外では、創造性に関する分野でよい効果があるという結果も出ており、夢日記が危ないというのは日本国内のものであるといえる。
夢日記はつけてみるとたいてい脈絡のない展開になりがちなので、内容自体がもともと狂っているようなものです。そういった意味でホラー要素と親和性が高かったと思われます。