シュレディンガーの猫(シュレーディンガーの猫)は、量子力学の分野で考案された有名な思考実験、あるいはパラドックスです。これは物理以外の文脈でも使われることがあります。ここでは、この思考実験についてを簡単に解説していきます。
シュレディンガーの猫を簡単に解説!実は作者の恨み節?
ここでは簡単に、シュレディンガーの猫を解説してみます。じつは、シュレディンガーの主に言いたかったことよりも実験の内容や答えの方が注目されているということが多いです。
シュレディンガーの猫の簡単な概要
簡単に概要を書くと、以下のようになります。
- 外からは中が見えない箱を用意する。崩壊する確率が半々の原子と、ガイガーカウンター入れる。ガイガーカウンターにはハンマーがつながっていて、崩壊を感知すると毒ガス入りの容器が割れる仕組みになっている。
- さらに猫も入れる。
- 一定時間後、崩壊を検知したらハンマーが動き、毒ガスが放たれ、猫は死ぬ。崩壊してなければ、猫は生きている。
- すると、量子力学の解釈では原子が崩壊しているかどうかは確率(重ね合わせ)で表現されるので、猫が死んでいるかどうかも半々になってしまう。(生きている状態と死んでいる状態の重ね合わせになってしまう。)
- これは矛盾しているので、量子力学には誤りがあるのではないか。
ここでシュレディンガーが言いたかったことは、矛盾があるのではないか、という問題提起のほうで、シュレディンガーはのちに量子力学に貢献したことを後悔する発言を残してもいます。
しかしながら現在では、猫が死んでいるのか生きているのかどっちなの、というほうが着目されがちです。
あるいは実際に試したらどうなるの、ということが気になるという人も多いようです。
シュレディンガーの猫を簡単に実現できないのか
シュレディンガーの猫は、実際に試すことはできないのでしょうか?
じつは、猫ほどの巨大な物体ではないですが簡単な物質なら同じような装置を作り、思考実験を実際に試してみることは行われています。
いまのところ、重ね合わせの状態で存在することが確かめられているのは、光子とベリリウムイオンでは成功しているようです。
このような状態は「猫の状態」といわれることもあります。
ここまで読んだ人「シュレディンガー描像」が「シュレディンガーねこぞう」に見える説
ここまでシュレディンガーの猫について話してきましたが、すでに猫という単語が多く出てきたので、シュレディンガー描像が猫象に見えてしまった人もいるのではないでしょうか。
このシュレディンガー描像というのは、シュレディンガーの猫とは直接の関係はありません。
量子力学での描像というのは簡単に言えば「現象の観測と現象の結果がどう変化するのか」に対する解釈であり、いくつか描像が提案されています。
このうち、シュレディンガーが提案した描像がシュレディンガー描像と呼ばれています。
猫に空目するのは物理あるあるだと思います(?)。
まとめ
- シュレディンガーの猫は、量子力学に誤りがあることを示そうとした思考実験。
- 矛盾を示そうとするのが元の目的だったが、生死がどっちなのか、実際に試したらどうなるのか、が着目されがち。
シュレディンガーの猫は、フィクションでもよく出てきますね。シュレディンガー本人もこんなに人気になるとは思っていなかったのではないでしょうか。