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「錬金術師たちは、研究内容を秘匿するために、様々な暗号を使っていた」というのは歴史的事実である。ここでは暗号をその種類別に解説し、解読の仕方も解説する。
以下の図のように物質ごとに記号があった。これらは広く錬金術師たちの間で共有されており、手稿などにも多く登場する。ニュートンも使っていた。以下はごく一部である。
☉ | 金 |
♀ | 銅 |
♂ | 鉄 |
記号には物質だけでなく、蒸留や抽出などの化学的な操作を示すもの、実験器具などをしめすものもあった。
特定の実験器具などを表すシンボルが存在した。これはフラスコなどを特定の生き物などで象徴させることで、暗号化をはかったものである。これらが図の中に示されていると、知らない人には風景画にみえる。下のシンボルは、管が2本枝分かれしたフラスコを自らをついばむ鳥で象徴している。
概念を表すシンボルも存在した。これは錬金術が目指す思想や概念を図案化したもので、化学というより教義のようなものである。概念と密接に結びついた化学変化を表す場合もある。
物質の加工方法などを図で説明したもの。しかし、説明書のように分かりやすいものではない。文章はごくわずかで、シンボルの知識と絵からの連想で暗号を解くしかない。
上の図は「哲学者の卵」にたいする分解の操作を表現していると思われるが、具体的な物質は化学変化を表しているのかは不明。
このような寓意図はカギと呼ばれ、先人の作った鍵を解くことは錬金術の仕事の一つだった。
対話文の中に加工法や概念を隠した。
「ヘルメス学の勝利」には、「石と黄金・水銀の対話」、「二人の哲学者ピロフィルとユードックスの対話」があり、中に重要な暗示が隠れている。
染色、硫黄、水銀という言葉から、硫化水銀を表しているともとれる。
なんらかの燃焼操作を表していると思われるが、詳細は不明。石灰といっているため、燃焼させるとそれが析出して残るということか。
科学の専門分野と同じく専門用語が数多くあった。賢者の石などは有名だが、ほかにも例えば、以下のようなものがある。
マグネシア・・・今日では酸化マグネシウムを表す語だが、錬金術で出てくるマグネシアが何を示すかはよくわかっていない。
錬金術師たちは基本的には悪用を防ぐために研究の暗号化をしていたといわれている。これは金を作る技術が悪人にわたってしまうと、悪事をなすための資金としていくらでも利用されてしまうからである。
しかし、そもそも研究に値するような金を作るなどの偉業は何も成し遂げていないから、暗号や絵でごまかした、という見方もできる。