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付箋の代名詞ともいえるポストイットの年表。これの歴史には失敗と偶然が重なった面白い歴史を持っている。偶然が生んだ世界一有名な文房具といってもよい。
1970:3M社のスペンサー・シルバー、「一時的に貼れるがすぐに剥がれる接着剤」を開発。・・・接着剤として使う、といった固定観念から脱却できず、社内では使いどころが見つからなかった。このことで、失敗した開発事例ともみなされていたが・・・
その後:シルバーはいろいろ相談もしてみたが、結局、いったんはこの接着剤を捨ててしまった。
1974のある日曜日:3M社の製品開発部にいたアート・フライ、讃美歌の楽譜に挟む栞としてつかえるとひらめく・・・フライは多趣味な人物であり、教会で賛美歌を歌っていた。ある時、たくさんのしおりが楽譜に挟めればいいのにと思った時、はがしやすい接着剤のことを思い出し、使えると発想した。
(普段は普通の紙をしおりにしていたが、たくさんはさむと落ちてなくなりやすかった)
次の日:フライ、試作品をつくる・・・まずは、最初の発想通りにしおりを作った。
1年と少しあと:マーケティング部に持って行ったが、ウケはそれほど高くなかったらしい。・・・メモ用紙より割高に売らなければならないため、売れるか不安だったとか。
1877:アメリカの4つの地域で試験的に売り出される。
1980初めころ:さまざまな会社の秘書に送ったことで、大ヒット
1980代:ポストイット、アメリカ中で販売
1981:ヨーロッパでもヒット、販売額がアメリカと並ぶ
・フライは多趣味な人物であったらしく、賛美歌以外にもスポーツなどもしていたという。
・大ヒットの結果、そこらじゅうで模倣品が出回ったという。今日では、一時的にはがせる付箋はごく一般的なものになっている。
・文房具におけるセレンディピティ
文房具にまつわる偶然の発見として、おそらくこの事例が最も有名で販売規模も大きいのではないだろうか。この発明は、仕事を離れたところで偶然思い出したという点では、セレンディピティに近い部類の発明である。 多趣味は発明に役立つといったところだろうか。
・固定概念を覆すには偶然が必要?
シルバーは結局、「接着剤はものをずっとくっつけておくもの」という固定概念が足かせになり、うまい使用方法も閃かなかった。フライがひらめいたのは偶然の助けが必要だった。
仕事を離れて日常の不満点を考えているときに、意外な仕事の突破口がひらめくものなのかもしれない。