実在の永久機関17:ベルヌーイの永久機関って?仕組み・動機を解説!地球の水の循環を説明する装置!

永久機関
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こんにちは!永久機関好きの皆さん、お待たせしました!
今回は「永久機関」シリーズの第17弾として、ちょっと不思議でちょっと哲学的(!?)な装置――ベルヌーイの永久機関を紹介します。

この装置、実は「エネルギーを取り出すための夢のマシン!」というよりも、
“地球の水の循環”を模倣しようとした科学的な試みだったんです。

「永久機関」という呼び名にビックリした人もいるかも?
今回はこの装置の目的・仕組み・なぜ動かないのか、そして本当の地球の水循環はどうなっているのかを、科学雑談的にわかりやすく解説していきますよ〜!


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🌍そもそも「ベルヌーイの永久機関」ってなに?

まず名前の由来ですが、これは18世紀の数学者・物理学者ヨハン・ベルヌーイ(1667年 – 1748年)にちなんだもの(ただし、彼がこの装置を作ったという記録はありません)。

彼のWikipediaにも永久機関を提唱した、という一文があり、気になった人も多いのでは?

この装置が面白いのは、いわゆる「永久機関(Perpetual Motion Machine)」としてエネルギーを取り出す目的というより、自然界の仕組みをモデル化しようとした試みだということ。


🎯目的は「地球の水の循環」の説明だった!

そう、この装置の目的はただの「無限エネルギーの夢」ではありません。
ベルヌーイの永久機関が目指したのは、地球上で起きている“水の循環”をモデル化して説明すること。

つまり、

  • 海の水が蒸発して空に昇り、
  • 雲となって雨を降らせ、
  • 地表を流れ、
  • また海に戻る……

という地球規模のサイクルを、小さな容器の中で再現できないか?と考えたのです。
「装置が動くこと」そのものより、「自然界の循環の原理を再現できるか?」という、まさにサイエンスの探求心から生まれた装置
なんですね。


⚙️ベルヌーイの永久機関の原理とは?

さっそく、この永久機関の原理を説明していきましょう。この装置は模式図も残されています。

引用:https://en.wikisource.org/wiki/1911_Encyclop%C3%A6dia_Britannica/Perpetual_Motion

〜比重の違う液体を使った巧妙な構造〜

では、その「地球の水の循環」を再現しようとした装置の仕組み(原理)を見ていきましょう!


🧪使うのは2種類の液体!

この装置のカギとなるのは、比重(=重さの密度)が異なる2種類の液体を使うこと。

たとえば:

  • 重い液体A(水など)
  • 軽い液体B(油やアルコールなど)

この2つを、同じ容器の中に入れて混ざる状態にします。


🧫容器と管の構造

円筒形の透明な容器を用意し、その中に細い縦長の管(ストローのようなもの)を立てます。
この管の底部には、小さなフィルターが付いていて、軽い液体Bしか通れない仕組みになっています。

容器の中には、液体Aと液体Bを注ぎ、ある程度混ざる状態を作ります。


🌀いざ、装置始動!

装置を動かす(=液体を撹拌する)とどうなるかというと……

  • 混ざった液体の中で、軽い液体Bが管の底からフィルターを通って中へ進入。
  • 管内を軽い液体Bが上昇していくと、管の中に負圧が生まれ、ストローのようにまわりの液体Bも吸い込まれてくる。
  • 軽い液体Bが管の上部からあふれ出す。
  • 一度あふれれば、サイフォンの原理で、あふれた液体がまた下に戻り、再びフィルターを通って上昇する……!

まるで自然界で水が雲になって雨として降り、また流れて蒸発していくかのような
「小さな水の循環」が、人工的に作られている……ように見えるというわけなんです。


🧯でも結局、これ動かないんだよね?

はい、そうなんです。見た目はうまくいきそう。
でも実際には“永久”には動きません。

ここがポイント。


❌なぜ動かない?3つの理由

1. 初動に「外部エネルギー」が必要

そもそも最初に液体をかき混ぜないと、装置は始まりません。
自然界では太陽がこの“初動”をやってくれてますが、この装置には太陽のようなエネルギー源がありません。

2. エネルギー保存の法則に反する

比重の違いを利用しても、一度上がった液体が落ちてくる時にエネルギーは失われます(摩擦、熱、表面張力など)。
つまり、時間が経つとどんどん動きが止まってしまうのです。

3. 分離も完全じゃない

フィルターを通って上がるはずの液体Bも、完璧に分離できるわけではありません。
液体A(重い方)が混ざりこんでくると、だんだん動作が鈍くなります。

ベルヌーイも後年、動かないことを認めている

ちなみに、ベルヌーイ自身も後年になって「この装置は動かない」という正しい判断を下したという話もあります。

ただし、この結論を出したのはよりエネルギーなどへの理解が進んだ時代の、息子のダニエル・ベルヌーイ(1700年 – 1782年)だった可能性もあります。

ダニエルは父親のヨハンとは折り合いが悪く、そうした背景もあったのかもしれませんが、いずれにせよ永久機関が動かないと判断したベルヌーイ家の総括は正しいです。


🌞じゃあ、実際の地球の水の循環はどうやって動いてるの?

これが一番大事なところ!
この装置はあくまで「自然をまねしたい」という試み。
でも現実の自然界では、ちゃんと“外部からのエネルギー”があるんです。

そう、それが……

☀️太陽エネルギー!🌞

  • 太陽が海を温めて水を蒸発させます。
  • その水蒸気が空にのぼり、雲となって雨を降らせ、川を流れて海へ戻る。

この一連の動きは、すべて太陽が“動力源”になっているから起こっているんです。

つまり、地球の水の循環は
👉 「太陽という外部エンジンがある持続可能システム」なんですね。

だからこそ、何億年も続いている自然現象なんです。


🧠ベルヌーイの永久機関が教えてくれること

この装置、実際には永久に動きません。
でも、それがダメってわけじゃないんです。

  • 「自然現象をどうモデル化するか?」
  • 「エネルギーとは何か?」
  • 「なぜ永久機関は作れないのか?」

こうした科学の本質的な問いに触れるための教材としては、とても面白い存在です。

つまり、動かないけど意味はある!という不思議な永久機関。

この装置自体は現実に動きませんでしたが、考え方自体はとても面白いんです。
なぜなら、自然界の仕組みを模倣しようとする科学的探求心が見えるから。

さらに、「永久機関がなぜ実現しないのか?」を学ぶ教材としても優秀です。

つまり――
失敗だけど、学びはめちゃくちゃあるやつ!


📌まとめ:ベルヌーイの永久機関とは?

最後に、今回の内容をぎゅっとまとめてみましょう!


  • ✅ ベルヌーイの永久機関は「地球の水の循環」をモデル化しようとした科学的試み
  • ✅ 目的は「永久運動」ではなく、「自然の原理の再現」
  • ✅ 原理は「比重の違う液体+フィルター+ストロー効果」による擬似循環
  • ✅ 外部エネルギーなしでは循環は持続できず、永久には動かない
  • ✅ 地球では太陽エネルギーがこの循環の“エンジン”となっている
  • ✅ 永久機関は不可能でも、そこから得られる科学的知見は大きい!

というわけで、今回の「ベルヌーイの永久機関」、ロマンも学びも詰まったサイエンスの小宇宙でしたね〜!

また次回の永久機関シリーズでお会いしましょう♪
それでは皆さん、良き探求ライフを!🔬🌈

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