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カルマン渦は、流体力学の有名な現象として知られている。ここではその研究の歴史と、音についての解説、対策方法について簡単に述べる。
図のように、振動する円柱の周りにツルを巻くように別の円柱を組み合わせると、カルマン渦が発生しなくなることが知られている。
これはまきついた円柱が空気の流れを乱すことで、まかれた円柱の背後に交互に渦ができなくなるため。
円柱の後ろにカルマン渦が1秒間できる個数は、以下の式で分かる。
f=0.2×(U/d)
ここで、Uは風速、dは円柱の太さ。0.2はストローハル定数といい、Stと書くことが多い。
風の強い日に電線がヒューヒューなるのは、カルマン渦の振動によるものである。上の式で計算すると、風速10メートルだとだいたい1200Hzとなり、ソプラノの音域となる。
バットを振る時は、スイングの速度を時速150キロメートルとしておなじように計算すると、140Hzの音となり、これはぶんぶん聞こえる。
なお、ストローハルは人名。電信などの研究をしていた19世紀の研究者。
1940:タコマナローズ橋の崩落は非常に有名である。カルマン渦の振動数と橋が共振して、疲労により折れてしまった。
1965:フェリーブリッジ発電所Cの3つのタワーが強風のために崩壊。カルマン渦の発生が原因で不安定になった。
1940:セオドア・フォン・カルマン、タコマナローズ橋の事故調査委員のメンバーになる。
20世紀:原理の解明、工学的応用などが研究される。