人工光合成の歴史-本多=藤嶋効果

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 光合成は植物特有の働きであり、動物は行うことができない。また、生態系にとっても非常に重要な働きである。二酸化炭素から酸素を作り出すことができるのはあるいみ植物の特権であるともいえる。これを人工的に再現しようとする試みの年表である。
 光合成の仕組みは20世紀までには解明されていたが、それを人工的に模倣したいと思うのは自然な流れであった。
 発想自体は割と昔から存在しているが、近年着目される技術になっている。また、日本人が重要な貢献(本多-藤嶋効果)をしている分野である。

本多=藤嶋効果はどうやっている?

本多=藤嶋効果
1.水中に二酸化チタン電極と白金電極を置く。
2.二酸化チタン電極に光を当てる。
すると水の分解がおき、
・二酸化チタン側から酸素が発生する
・白金側から水素が発生する
・電極の間に電流が生じる
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年表

1842:マイヤー、化学エネルギーみなもとは太陽光であると発見
1860代: ザックス、デンプンが合成されることの発見
1893:バーネス、「光合成」ということばを考案
20世紀:スターク=アインシュタインの光化学等量の法則
20世紀:チアミチアン、ガラスのフラスコで光化学反応を再現・・・人工光合成の直接の開始はここである。

ベランダにフラスコを並べて実験している
フラスコと壁に同化して見えにくいがここにチアミチアンがいる

1969:本多=藤嶋効果、発見される。藤嶋が実験中に発見した。本多は藤嶋の指導教官に当たる人物。
1970代:マイヤー、水の化学酸化に成功。水から酸素をつくることに成功
20世紀:レーン、紫外線で二酸化炭素から一酸化炭素をつくることに成功

豆知識

・藤嶋は効果を発見したとき、「これは光合成と類似のことがおきていると直感した」と述べている。その直感はずばり当たっていたことになる。

考察

・植物の器用さ
植物は、人間がまだ人類が登場する前から光合成をおこなっている。これを人間が模倣しようとしても、まだ実現できていない。あの小さな葉っぱに人間が到達できていないテクノロジーが詰まっているというのは驚くべきことである。

・ハードルがまだ高い?
人工光合成でエネルギーを作り出せるようになるには、まだハードルが高いと言われている。もしエネルギーが取り出せたとしても、人工光合成をするまでにかかるエネルギーがこれを上回っていると、収支が赤字になってしまうのでエネルギー源としては使えない。

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化学