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物理学では逆二乗則という法則が多く存在するが、距離が絡んでくるものであってもそれが成り立たない法則も存在する。その事例をまとめた。
加えて、物理によく登場する「逆二乗則」はどの順番で発見されてきたかの歴史を年表でまとめた。対象は有名な重力だけでなく、光や音など多岐にわたる。
万有引力によるエネルギーは、逆二乗ではなく、距離に反比例する形で与えられる。ここでは万有引力を例にしているが、クーロン力でも同じである。
これは直感的には、エネルギーは仕事(力×距離)に変換できるので、
「ある地点での万有引力×引っ張った距離」
が万有引力によるエネルギーとなる。よって、分母の距離の2乗が引っ張った距離で一つ消去されて逆二乗則ではなくなる、とみることができる。(厳密には、積分を使って導出する)
放射線の強さを表す指標のうち、「粒子フルエンス」と呼ばれるものは、距離に比例して減衰していくので、逆二乗則は満たさない。
これは端的に言えば「単位面積に入る放射線の弾丸の数」とたとえることができる。それが距離Rの領域で減衰する量は、物質の密度と距離に比例した分だけ減衰する。
これは入ってきた放射線が途中で物質に衝突し散乱などを起こすためである。
灰色の領域の抗生物質によっても減衰の量は変わる。
はじめは重力ではなく、光の明るさから始まった。
17世紀:ケプラーの光学の著作 光の明るさについて逆二乗則を発見 逆二乗則の導出は数学的にはできていない。
1645: イスマイル・ブリオ、光の逆2乗則を数学的に導出
1674 :ウィリアム・ペティ、音の強さは逆二乗則にしたがうことを解明。彼は光に関しても、明るさを保つには壁からの距離の2乗の数だけローソクを増やす必要がある、と記述している。
1666 :フックの惑星解析の開始・・・フックとニュートンの先取権あらそいのはじまり。
1679: ニュートンあての手紙で引力の意見を述べており、逆二乗則に従うと予想している。
直後:ニュートン、プリンキピアで万有引力を確立。これをもって、万有引力の発見者はニュートンとされることになる。この後の時代で、キャヴェンディッシュがねじりばかりで万有引力を確かめている。
1739 :リチャード・ヘルシャム、磁力の逆二乗則を実験で確認
1785 :クーロン、電荷の逆二乗則を実験で確認
20世紀:太陽風の強さの逆二乗則が発見される。・・・これは太陽からの太陽風が星にあたる強さが距離の2乗に反比例するということである。つまり、太陽からの万有引力とは反対の作用を及ぼす。力は弱いがいわば万有斥力と考えることができる。
・ニュートンはフックに先んじられたと感じていたと思われ、有名なリンゴの話はそれを覆い隠すための作り話という説もある。
・光が最初だったのは?
光の逆二乗則が最初だったのは、一番身近に減衰を感じることも理由だろうが、もしかすると切実に生活とかかわっていたからかもしれない。当時は夜になるとろうそくの明かりしかなく、もっと明るいものが欲しいと思っていた人は多かったであろう。そのことが研究に駆り立てのかもしれない。
・引力が有名に
引力が有名になったのは、当時ものが落ちるのは当たり前すぎて装丁もしなかった万有引力を発見したという発見のインパクトに加えて、選手権争いが激しかったからという理由もありそうである。ほかの逆二乗則ではそういった争いは特におこっていない。もっとも、時期に関しては、同時期に割と多くの人が同様の実験をしているようである。ただし、逆二乗則でない法則を導出していたりして、間違いもあった。