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相対性理論は間違っている?-論争・アインシュタインVSナチス

相対性理論は直感では理解しにくい事実が多く含まれるので、なかなか受け入れられなかった。また、ナチス政権化ではむしろ排斥された。今日でも相対性理論はまちがっているという主張がなされることがあるが、意外と同じ主張が過去に出ていて、すでに反論がなされていることが多い。

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相対性理論の初期の反論

1911 :実験データが特殊相対論とあわないとして、論争がおきた。これが決着するのに数年がかかった。

1931 :「アインシュタインに反対する100人の著者」出版。アインシュタインの考えに納得できない研究者が書いたものだった。アインシュタインは「わたしに反対するなら、ひとりで十分ではないかね」とコメントしている。

ディングルら、双子のパラドックスを用いて相対論を批判。双子のパラドックスの亜流はその後大呂運出てくることになる。

1950代後半:熾烈な議論がこの時代にもあった。

1960 :ブランス=ディッケ理論の登場。これは一時、相対性理論より正しい理論ともいわれたが、単純さでは相対論に軍配にあがる。

アインシュタインVSナチス

1801: ゾルトナー、光子が重力でまがるのでは、という仮定の下、ニュートン力学を援用して曲がり具合に関する式を導出。これは、光を粒子と捉えるもので、アインシュタインの導出とは結果は異なるものだった。

1921 ゾルトナーの式をレナルトが再発見。レナルトはナチス党員であり、アーリア人が相対性理論より100年進んでいたといいたかったために、それを利用した。

1930年代:アインシュタイン、ユダヤ人であることを理由に亡命する

第二次世界大戦中、相対性理論はユダヤ人がつくった退廃的な理論ということになり、相対性理論の原則も「ハイゼンエールの原理」と名前を変えることになった。一種のプロパガンダである。

その後アインシュタインはローズヴェルト大統領に、ナチスより先に原爆をつくるよう手紙をかくが、降伏後のドイツには原爆研究のあとはあったものの、完成された原爆はなかった。アメリカの原爆は日本に投下された。

ドイツ降伏とともに、ナチス政権は崩壊し、相対性理論の復権が行われた。

相対性理論が正しい根拠

相対性理論(一般相対性理論)を正しいと信じる根拠は、基本的なものは以下の二つである。どちらも実験的なものである。ひとつは応用として日常的に確かめられているといってもよい。

日食のときの星の位置

日食のときに太陽の周りの空間がゆがみによって星の位置が変わって見えるという、有名な証拠が取られたので、アインシュタインは一躍有名人になった。

カーナビ

カーナビに欠かせない衛星は、高速で地球の上空を回っている。この高速で動くことによる時間の遅れと、重力の弱いところにあることによる時間の変化(地上のほうが重力がつよいので、時間はゆっくりしている)を差し引きしないと、位置がずれてしまう。これを補正する計算に相対性理論が役立っている。

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