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家相は、室町時代くらいから存在する家の建て方についての一種の宗教的・風習的な決まりごとのことである。多くは、現在では科学の発展とともに迷信という判断がなされているが、科学的・合理的に説明のつく家相もある。また、今でも建築の際には意識されているし、よく怪談話にも登場するキーワードだったりする。
これは寸法による例で、正面扉から門までの距離で家相を占うものである。まず、9尺6寸を8等分する。つまり、1尺2寸(約36cm)が一区切りである。これを8巡で一回りとし、扉からの距離が3つ目の区切り(108cm~144cmの整数倍)に入ってしまっている場合は、その家は離婚が起こるとするものである。
北東の方角は鬼門と呼ばれ、人の居住空間としては避けられる。土は乾いていたほうがよいといわれる。また、倉庫にする分には問題がないらしい。
なお、方角を求める際には基準点を家のどこかに定める必要があるが、これは土台の対角線を結んだ交点とすることが多い。他には、かまどや大黒柱とする例もある。
三角形の形をした土地に家を建ててはいけない、というもの。この土地は、道の交差する点などが該当する。これを破ると、家では幽霊が出たり不幸が襲うといったものが多い。
ただし、土地によっては、家のほとんどが三角屋敷、といった地域もあるようである。また、三角形の頂点を切り取るように塀を立てて台形にすると、三角屋敷ではなくなるので、簡単に回避できる。
科学的に説明のつく家相もある。これは経験則として蓄積されたものともいえる。
上に書いた鬼門は、寒い北のほうで過ごすと風などを引きやすいから、とみなすこともできる。
これは、食料を保存するのに向かないからである。食料を暑い南側においてしまうと、腐りやすく、食べた後体調を崩すリスクが高くなっていしまう。冷蔵庫のない時代であればなおさらである。
活水脈とは、井戸などがこれである。これは、木材で作られることを考えれば、湿気で木材が痛むことが予想されるので、避けたほうがよい、と解釈できる。
これは、気が直接家に流れ込むのを防ぐ、とされるが、プライバシーの観点から覗き見を防いだり、泥棒が門から家を伺っても扉の様子がわかりにくくする、つまり、犯罪の下見をさせないといった効果がある。
中国の風水の流れを汲んでいるのが家相の特徴である。
形成されたのが大体室町時代であるといわれるが、その勢力が拡大したのは江戸時代に入ってからであった。
江戸時代には、松浦一派などの家相の専門集団がいくつか生まれ、書物を残している。「家相図説大全」などが有名である。
大正時代くらいになると、電気やガスなどの発展によって家相は孟気にする必要はない、といった言説も現れ始めている。