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ジョン・レノンの『イマジン(Imagine)』は、放送禁止や自粛になったことがあります。それ以外にもイマジンによる爆破事件が起こるなど、この楽曲が議論になった事例はリリースされてから数回ありました。ここでは、それらの出来事や理由をまとめました。
イマジンが放送禁止になったものを時系列でみてみます。なお、放送自粛、という場合のほうが多いです。
イマジンがリリースされた直後、全米のシングルチャートでは3位を取るというヒットになりましたが、この歌詞に否定的な反応は当時からありました。
代表的なものでは、
というものなどです。
1991年、湾岸戦争の時、イギリスのBBCでは放送自粛リストに入れ、この措置は戦争終結まで取り続けられました。結局、放送されることはなかったようです。
湾岸戦争ではイギリス軍も多国籍軍の一部として出兵しているので、これに関連する放送自粛措置とみることができます。
9.11同時多発テロ事件の時も放送自粛リストに名前を連ねました。これは洋楽が好きな人なら一度は聞いたことがある放送禁止措置ではないでしょうか。
また、この自粛リストは大規模なもので、レノン以外にもレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンは全曲放送自粛という措置が取られています。
この時の理由は必ずしも明らかになっていませんが、リストを見る限り、反戦的、反体制的なのが理由ということが推測されます。
また、この時あえてニールヤングがイマジンをライブで歌ったことも有名です。ニールヤングがうたった理由としては「こんな時だからこそ平和を」というものだったようですね。
その時の映像は残っているようです。
近年では、イギリスで葬式のBGMとしてイマジンを使うことが禁止されたということもニュースになりました。
天国の存在を否定する歌詞が不適切だから、という理由のようです。
死んだ時くらいその人の好きな曲をかけてあげれば、とも思うのですがどうでしょうか。
イマジンは過去にオリンピックの開会式などで流される楽曲として、数回採用されています。
それがきっかけで爆破事件がおきたのが、1996年のアトランタオリンピックです。
アトランタオリンピックでは、爆発物を入れていたバッグがベンチの下に隠されていた、ということが露見し、避難誘導を開始しましたが、爆発した結果として怪我人が出るなどの被害が出ました。
この時の犯人の犯行声明に書かれた動機の一つが「オリンピックで流れた『イマジン』は社会主義的な世界を肯定しており、それに対する抗議」であるというものです。
この事件については避難誘導した警備員が犯人だと疑われたというようなエピソードもあるので、以下の記事を参照してください↓
この件が関係しているのかはわかりませんが、次のシドニーオリンピックでは、放送禁止というか、セレモニー楽曲としてイマジンは採用されていません。
その後、2012年のロンドンオリンピック、2020年東京オリンピックでは使われています。なので現在では、放送禁止ということではないようです。
イスラム教の地域ではイマジンはどのようにとらえられているのでしょうか?
宗教もないというところはイスラム教にも抵抗を持たれそうです。
英語で調査してみると、イスラム圏のトルコで教鞭をとっていた人のレポートが見つかります。
ここでは、イマジンを流したところ、生徒のなかでは宗教を否定しているので良くないという反応が一部ではあったということが書かれています。
ですが、地域全体で放送禁止になったという話は調査した限りでは見つかりませんでした。
イマジンが放送禁止になるような布石となるような出来事、類似する出来事はイマジン発表前にも起こっています。
ジョンレノンはいわゆる「ビートルズはもはやキリストより有名」という発言で、キリスト教系団体から反発されたことがあります。
これはビートルズ時代の1966年の発言です。
イギリスでは特に何も起こらなかったのですが、アメリカでは問題視され、レコードの焼却処分など大規模な反対運動にまで発展しています。
この時、ビートルズの曲が全米のラジオ局で一斉に放送禁止にされました。
なお、ビートルズ解散後にはこの措置は外されますが、その後もジョンレノンの作詞、ボーカルの曲は一定期間ブラックリストのままだったようです。
レノンは1971年にオノヨーコとともにアメリカへ移住しますが、この時にニクソン大統領の政敵リストに入れられています。
これはその時の政権がロックミュージックのもつ世論形成の潜在能力を敵視していたという理由です。
中でもそのカリスマ的人物だったレノンの影響力は恐れられていたということだったようです。
これらのことから、この時期FBIに監視されていたことが判明しており、このことはレノンの死後に公表されました。
最近でもオリンピックなどで演奏され続けているので、時代を超えて話題を振りまいていることがうかがえますね。それだけ影響力の大きい歌だということなのでしょう。