財政破綻論の外れ続けた予言まとめ

消された歴史
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財政破綻論の「何年までに破綻する」という予言の数々を集められる限り年表でまとめた。これらの予言とともに財政破綻論は平成期の日本を席巻してきた。:財政破綻論はいつから?詳しく解説!

なお、以下に乗せたのは一部であり、実際はもっと多い。重要なことは、予言は全て外れたということである。

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年表

政府の債務不履行という(原義の)財政破綻の予言

1997:森本氏「日本が破産する」出版。2002年までに日本の財政は破産すると予言。
→2002年になっても、破産せず。

1997:林氏「財政危機の経済学」出版。GNP成長率と国債利子率の比率が高水準だと破綻。ドーマーの定理を援用している。
→現在、比率に関係なく破綻していない。

1997:吉田氏「破綻する日本財政」出版。債務とGDPの比率により、2025年より以前の早い段階で破綻する。
→2021年になっても、破綻せず。

1998:吉田氏「財政改革が日本を救う」出版。国民一人当たり400万円の借金を放置すると、破綻する。
→現在、一人当たりの額に関係なく破綻していない。

2005:竹中氏、テレビで2010年に日本が破綻すると予言。
→2010年、破綻は起きなかった。

2010:小黒氏「2020年 日本が破綻する日」出版。2020年に財政破綻すると予言
→2020年になっても、破綻せず。

2016:藤巻氏「国家は破綻する」出版。消費者物価指数が2017年に2%になると破綻。
→2017年、破綻せず。

「予言の先延ばし」を対照年表で図示してみる

予言の先延ばしは、科学的な場面で何度もやると信頼性を損なうので好ましくない行為である。これがここまで何度も繰り返されてきたのは珍しい。予言のうち期日がわりとはっきりしているものを対照年表にしてみると、以下のようになる。

予言の始点と終点をプロット

財政破綻論の「アドホックな仮説」

アドホックな仮説は、予想が外れた場合に補助的な仮説を導入することで回避しようとするもので、好ましくないことだとされる。アドホックな仮説としての財政破綻論の予言としては、(上にあげたような「原義の財政破綻=政府の債務不履行」が通用しないので)おおよそ以下のいずれかに意味を変えたものがある。

①国債金利の高騰
②ハイパーインフレ
③日銀が破綻する

2005:竹中氏、国債金利が2012年に10%に上がる
→2012年の国債金利は低いままで高騰せず。

2000年代:竹中氏、国の借金が家計の金融資産を上回ると破綻すると予言。
→上回ることはないので、この論理では破綻しない。

2010年代:藤巻氏、2020東京五輪までにハイパーインフレと予言。
→2020年、ハイパーインフレは起こらなかった。

2018:藤巻氏、日銀破綻を予言
→2021年現在、破綻していない。そもそも、政府が日銀を破綻させないように増資するなどの手段は講じるはずである。

その他、奇説、珍説など

ネット上などで拾った、仮説といえるのか微妙な説などを列挙した。

1998:ある海外のヘッジファンドの上役が「すでに日本は破綻状態にある」、といったことがあるそうである。まさかのすでに破綻しているというコメント。

2010年代:トランプ大統領が2020年の選挙で落選したら破綻する
→2020年:実際にトランプは落選し、バイデンが大統領になったが、破綻していない。

2018:小林氏ら「財政破綻後危機のシナリオ分析」出版。財政破綻後にどうすればいいかを考察している本。
→現在、財政破綻は起きていない。この本に書かれているようなインフレ率、金利高騰も起きていない。なんならこの本の中で「国債は日銀がいくらでも買い支えることができる」と認めている。

豆知識

・ある財政破綻論者の書籍には自己責任の旨を注意書きとして書いており、財政破綻論と自己責任論のある種の相性の良さが垣間見られる。:自己責任論はいつから?-日本の自己責任論の歴史

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考察

・アドホックな仮説と予言の先延ばしの組み合わせというインパクト
科学史の中では、アドホックな仮説か予言の先延ばしのいずれかの特徴を持つ言説は多く見られたものであるが、このような両者を含む言説は珍しい。しかも長く放置され、国民も信じてきた、または信じている。今日ではようやく、誤りが認められつつある。